2019年4月以降、クアラルンプールの新しい観光スポットとして注目を集めるようになった鬼仔巷(Kwai Chai Hong)。
かつて廃墟化していたチャイナタウンの路地裏が多くの人で賑わう場所へと、大きな変化と再生を遂げた場所です。
時代の波に取り残されていた路地裏に、なぜ人が集まるようになったのか?
その背景にあるものはストリートアート。
路地裏に描かれたノスタルジックなストリートアートが人々の心を掴み、フォトジェニックな撮影スポットとして人気を博しています。
この記事ではアートの息吹により再生しつつある鬼仔巷の詳細について紹介します。
クアラルンプールの新観光スポットの鬼仔巷
クアラルンプール・チャイナタウンのメインストリートであるJalan Petaling(Petaling Street)から、一本隣にある通りのLorong Panggung。
ここが通称、広東語で鬼仔巷(Kwai Chai Hong)と呼ばれるエリアになります。
多くの人が訪れる鬼仔巷(Kwai Chai Hong)。
鬼仔巷の入口をくぐって、すぐそばにあるものは红桥(HONG QIAO)。
簡体字の红桥を繁体字にすると紅橋で、赤い橋を意味します。
まるで現代と過去を結ぶ架け橋のようです。
橋を渡った先に広がるノスタルジックな世界。
この空間だけずっと時間が止まっていたかのような… または過去にタイムスリップしたかのような不思議な感覚に陥ります。
左右が行き止まりになった空間にウォールアートが描かれ、ちょっとした秘密基地のような雰囲気が漂う場所になっています。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)の意味と由来
広東語でKwai Chai Hong(クァイツァイホン)と発音する鬼仔巷。
- 鬼仔:ghost(ゴースト)またはdemon(デーモン)
- 巷:lane(レーン)
…という意味があり、鬼仔巷を直訳すると、ghost lane(ゴーストレーン)。
malaymailの情報によると、
- Lorong Panggungで暮らしていた中国系移民がこのエリアで遊ぶ子供たちを”鬼仔(Kwai Chai)”と呼んでいた
- 賭博師や薬物中毒者が多く暮らしていたLorong Panggungでは、非道徳的な活動が行われていたことから鬼仔巷と呼ぶようになった
…という説が有力であると見られています。
上記の2つのポイントを理解しておくと、ストリートアートを目にした時にそこに描かれているものの意味が理解しやすくなるので、覚えていて損のない情報です。
過去の鬼仔巷
かつて鬼仔巷には、この場所で60年以上にも渡り商売を続ける何九海南茶店という有名なコピティアムがありました。
多くの常連客を抱えるお店であったものの、このエリア一帯は、観光客で賑わうチャイナタウンのメインストリートであるプタリンストリートとは異なり、廃墟感が拭えない時代に取り残された場所になっていました。
現在の鬼仔巷
鬼仔巷のストリートアートが一般公開された2019年4月以降、次第に人が集まる活気あるエリアに変化を遂げています。
インスタ映えを求める人、ストリートアート鑑賞を楽しむ人、このエリアにある飲食店で食事を楽しむ人など、鬼仔巷が一つの観光スポットとして注目を浴びるようになりました。
ちなみに、何九海南茶店は鬼仔巷(Kwai Chai Hong)のすぐ近くのJalan Balai Polis沿いに店舗を移転し、多くのお客さんで賑わう大人気コピティアムになっています。
廃墟からの再生
鬼仔巷の再建を手がけたのは、Bai Chuan Management。
チャイナタウンの過去の繁栄や輝きを取り戻すことをテーマにした「Project Kwai Chai Hong」と名づけた再建プロジェクトにより、このエリアにある10個のショップハウスにテコ入れをしています。
また、ストリートアートもBai Chuan Managementのプロジェクトによるもので、1960年代の鬼仔巷(Kwai Chai Hong)で暮らす人々の生活が複数のアーティストにより描かれています。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)からは、Merdeka PNB 118が見えます。
Merdeka PNB 118は、マレーシアで最も高い建築物になる予定のビルです。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)のストリートアート
ここからは鬼仔巷(Kwai Chai Hong)のストリートアートについて紹介します。
情侣在桥上(Couple on the bridge)
赤い橋の上に座るカップルを描いた情侣在桥上(Couple on the bridge)。
見ているだけで幸せになる、微笑ましいストリートアートです。
二胡伯伯(Erhu Uncle)
二胡を演奏するおじさんを描いた二胡伯伯(Erhu Uncle)。
孩子玩彈珠 (Kids playing marbles)
ビー玉で遊ぶ子供たちを描いた孩子玩彈珠 (Kids playing marbles)。
Lorong Panggungで遊ぶ子供たちの姿が鬼仔巷(Kwai Chai Hong)の由来の一つと言われていますが、当時の風景を彷彿とさせるストリートアートになっています。
書法家(Calligrapher)
書道家を描いた書法家(Calligrapher)のストリートアート。
文字が書かれた赤い紙は春聯(チュンリエン)と呼ばれるもので、中華圏に見られる春節(旧正月)の風習の一つです。
妓女(Prostitute)
売春婦を描いた妓女(Prostitute)のストリートアート。
数十年前の鬼仔巷(Kwai Chai Hong)で見られた光景を描いたものになります。
賛否両論があるストリートアートです。
階段の上にある巨大な壁画(ウォールアート)
階段の上にある一際目をひく大きなウォールアート。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)で暮らしていた人々の日常を描いたものになります。
当時のチャイニーズコミュニティを表現しています。
縄跳びで遊ぶ子供たち。
以前はロープが設置されていたのですが、いつの間にかなくなってしまっていました…。
床屋さんのストリートアート。
本物の椅子が置かれているので、椅子に座って写真を撮ると髪を切ってもらっているかのような画像をおさめることができます。
ショップハウスの家主と思われるパーマのカーラーを巻いた女性。
手には紙幣が握られています。
階段の上から見える風景。
独特の風情があります。
QRコードで解説がチェックできる
各ストリートアートのそばにはQRコードが設置されていて、スマホをかざしてQRコードを読み取ることで、簡単な解説が表示されるようになっています。
英文の解説に加え、YouTube上に動画も掲載されているので詳細を知りたい方はチェックしてみてください。(広東語の動画になります。)
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)のその他の見所
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)にはストリートアート以外の見所があります。
それが上記の街灯。
説明書きによると「クアラルンプールで最も古い街灯の一つ」となっています。
100年以上の歴史を持つ街灯です。
こちらは赤い橋を渡ったすぐそばにある古いショップハウスのドアを壁にディスプレイしたもの。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)にある飲食店
ストリートアートの周りには様々な飲食店があり、各裏口からお店に入ることができます。
Bubble Bee Cafe
こちらはBubble Bee Cafe。
Bubble Bee Cafeの表側の入口はPetaling Streetに面したところにあります。
Bubble Bee Cafeのストリートアートもかわいいです。
クレープを見つめる女の子が描かれています。
Concubine KL
Bubble Bee Cafeの対面にあるお店がConcubine KL。
妾(めかけ)の意味を持つConcubineのお店は売春婦のウォールアートのすぐそばにあります。
青青
青青(Pandan Republic)はパンダンを使ったパンダンココナッツアイスクリームが人気のお店で、各種ドリンクやデザートの販売をしています。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)のゲートのすぐ横に表の入口があります。
お店は2階建てになっていて、上にも飲食スペースがあります。
マレーシアの食材を使ったソーダ系ドリンクも美味しいです。
Luckin Kopi
Luckin KopiはJalan PanggongとLorong Panggungの間にあるレストランです。
低価格でローカルグルメを楽しむことができます。
Beryl’s Lot18
Luckin Kopiの隣にあるBeryl’s Lot18。
Beryl’s(ベリーズ)が2019年に新しくオープンしたショップになります。
とても素敵な場所なので、チャイナタウンで休憩したい時に利用してみてください。
Beryl’s Lot18のすぐ隣には、ベリーズが経営するカフェがあります。
Beryl’s Lot18の建物の側面に描かれた大きなウォールアート。
Goldsmithと名づけられたウォールアートはロシア人アーティストのJulia Volchkovaさんによって描かれたものになります。
ペナンにも数々のウォールアートを描いている有名なアーティストです。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)のロケーション
最寄駅はMRTまたはLRTのPasar Seni駅です。
駅から徒歩で3〜5分程度になります。
また、バスの利用も可能です。
鬼仔巷(Kwai Chai Hong)への行き方
- MRT・Pasar Seni駅のA出口からまっすぐ歩く
- Purple Caneが見えたら右に曲がる
- そのまま道に沿って歩き、OLD CHINA CAFEをこえたすぐ側にある路地を左に曲がる
こんな流れで鬼仔巷(Kwai Chai Hong)に到着します。
画像で見るアクセス方法
MRT・Pasar Seni駅のA出口から見える風景です。
出口からまっすぐ歩きます。
目の前にPurple Cane(紫藤)というお店が見えてくるので、このお店の前で右に曲がります。
曲がったところにある通りがJalan Panggongになります。
この通りには上記で紹介したLuckin KopiやBeryl’s Lot18があります。
Jalan Panggongに沿って歩いていくと、その先にJalan Balai Polisがあります。
この通りにはAli, Muthu & Ah HockやOLD CHINA CAFE(オールドチャイナカフェ)があります。
OLD CHINA CAFE(オールドチャイナカフェ)をこえて少し歩いたところの左手側に路地があり、ここがLorong Panggungになります。
また、Beryl’s Lot18の横にある細道を歩いて鬼仔巷(Kwai Chai Hong)にアクセスする形もおすすめです。
この方が少しだけ近道になります。
まとめ:チャイナタウンの新観光スポットは魅力溢れる場所
チャイナタウンの新しい観光スポットとして注目を集める鬼仔巷(Kwai Chai Hong)。
写真が好きな方にはとても楽しい場所なるため、是非足を運んでみてください。
また、Beryl’s Lot18の利用もおすすめです。
以上、クアラルンプール・チャイナタウンの路地裏にあるストリートアート、鬼仔巷(Kwai Chai Hong)についての紹介でした!