2025年末にオープンした注目すべき観光スポット、Seri Negara(セリネガラ)。
大規模修繕を経て、多くの人々を魅了する素敵な場所になっています。
Carcosa Seri Negara(カルコサセリネガラ)とは?

クアラルンプール植物園の丘の上に、Carcosa Seri Negara(カルコサセリネガラ)と呼ばれる2つの建物があります。

Carcosaは1897年にFrank Swettenhamの邸宅として、Seri Negaraは1913年に政府のゲストハウスとして作られたものになります。
CarcosaとSeri Negaraはそれぞれホテルとして利用されていた時期もあり、1989年にはエリザベス女王とエディンバラ公爵フィリップ王配が宿泊したこともある由緒あるホテルとして有名でした。
また、『クレイジー・リッチ』などの映画の撮影地としてとしても知られています。
Arthur Benson Hubbackによる設計
Arthur Benson Hubbackによってデザインされたカルコサセリネガラ。
スルタン・アブドゥル・サマド・ビル、クアラルンプール駅、ジャメモスクなど、様々な歴史的建築物をデザインしたマラヤ時代を代表する建築家になります。
カルコサセリネガラはチューダー・リヴァイヴァルとネオゴシックを掛け合わせた設計になっています。



マレーシア政府によるテコ入れ
土地の所有権や建物の老朽化など様々な問題があり、手付かずになっていた時期があるカルコサセリネガラ。
マレーシア政府が6億リンギットもの資金を投入し、カルコサセリネガラ及びスルタンアブドゥルサマドビルなどの歴史的建築物の修繕&保全事業に取り組むことを発表したことが大きな話題となりました。
政府系投資ファンドのKhazanah(カザナ)への投資として修繕プロジェクトが進められ、クアラルンプールの歴史的建造物・文化遺産を保全・再生するための国家的プロジェクトであるWarisan KL(ワリサンKL)とカザナが主体となり修繕工事を実施、まずSeri Negaraがオープンしました。
Seri Negara(セリネガラ)が2025年12月20日に一般公開

当初、2025年7月オープン予定と言われていたものの、遅れが続き、2025年12月20日に一般公開がはじまりました。

ギャラリーの入口。

ロビー部分にはシャンデリアと階段があり、主要なギャラリーは2階部分に位置しています。
カルコサはホテルとしてオープン予定

第1フェーズとして、セリネガラがギャラリーとしてオープンしましたが、第2フェーズではカルコサがホテル(Lindungan-Eko Hotel)としてオープン予定になっています。
ホテルがオープンするのは2025年時点で2年後と言われているので、まだ時間はかかりますが、注目を集まるホテルになることは間違いありません。
セリネガラとカルコサは2キロほど離れていて、徒歩圏内になっています。
マラヤの独立について学べるギャラリー

セリネガラは、グラウンドフロア(1階)とファーストフロア(2階)の2階建て構造になっています。


グラウンドフロアにはセリネガラの概要とカザナのエキシビションがあります。

ファーストフロア(2階)にはギャラリー1〜ギャラリー4があり、それぞれのテーマに沿ったものが展示されています。


ギャラリーはマラヤ時代および独立(ムルデカ)、独立後の展示物が主体になっています。


第2次世界大戦中に日本軍が侵攻した歴史についても触れられています。

日本統治時代に使われていた紙幣。

2階にはラウンジスペースがあり、写真撮影が可能です。

コロニアルの雰囲気漂う廊下

2階からはムルデカ118、KLタワー、ペトロナスツインタワーなどクアラルンプールの主要な建物が見渡せます。
ギャラリーウォーク(見学ツアー)の内容
セリネガラではギャラリー見学(ギャラリーウォーク)を実施しています。
ツアーは1時間でグループ単位で行われ、担当のガイドさんが説明してくれます。
はじめに10分ほどの動画を見て、あとはギャラリー1から4までをまわり、1階の展示物を見て終わりという内容になっています。
1時間は長いかな?と思ったのですが、展示物をしっかり見るには時間が足りないと感じました。
なお、ツアー言語は英語になります。
セリネガラのギャラリーを見学するには、登録が必要です。
セリネガラ見学予約について
Seri Negara公式サイトから予約が可能です。
予約枠には限りがあり、週末は枠がなくなってしまうこともあるので、行きたい日が決まっている場合は早めに予約することをおすすめします。
予約枠に空きがあれば当日のウォークインでも受け付けてくれ、登録可能ですが、今後混み合うことが見込まれるため、確実に見学したい場合は予約をおすすめします。

予約方法は簡単で、まずは公式サイトにアクセス。

ギャラリーウォークに参加する人数を選択。

日時を選択。

氏名、メールアドレス、電話番号、国籍をそれぞれ入力。
電話番号は国番号から入します。
国番号の前に+を入れる必要はなく、国番号に電話番号の最初の0を除いた数字を入れればOKです。

これで予約完了です。
予約が完了すると画面に表示されるほか、入力したメールアドレスに予約確認の案内が届きます。
予約をキャンセルしたい時はメールに記載されているリンクから手続きできます。
なお、現状はガイドによるツアー形式のみになっていますが、今後はセルフガイドツアーやオーディオガイドツアーなど変化があるかもしれません。
最新情報は公式サイトで確認するようにしてください。
入場料について
2025年12月時点で無料となっています。
スタッフの人に聞いたら、2026年4月頃までは無料で、以降は建物の保全を目的に入場料が発生すると言っていました。
施設

セリネガラには、カフェとレストランがあります。
2025年12月のオープン時点で営業しているのはカフェ(Semuka Cafe)で、レストラン(Serai House)は後日オープン予定になっています。

アクセス方法
住所:Persiaran Tuanku Ja’afar, Tasik Perdana 50480, Kuala Lumpur WP Kuala Lumpur
セリネガラはクアラルンプール植物園内にありますが、小高い丘にあり、徒歩で行くには距離があるため、車でのアクセスをおすすめします。

定休日
月曜日が定休日になっています。
念のため、足を運ぶ前に公式サイトで開館情報を確認するようにしてください。
まとめ

セリネガラのスタッフはすごく詳しく説明してくれたり、今後の新しい情報を教えてくれたり、すごく親切でした。
館内はエアコンの効き具合が強めで、かなり寒いので、冷え性の人は羽織るものを持っていく方が良いかもしれません。

期間限定だと思いますが、ギャラリーウォークに参加してアンケートに答えたらプレゼント(カップとポストカード)もらえたので、早めに足を運ぶとちょっとお得です。
セリネガラはVisit Malaysia 2026の目玉の1つでもあるので、ぜひ足を運んでみてください。





