マレーシアの公共交通機関を利用する時に便利なTouch ’n Go(タッチアンドゴー)。
この記事ではタッチアンドゴーの概要と2022年に新登場したNFCカードの詳細、カードの買い方やチャージ方法ついて紹介します。
マレーシアのタッチアンドゴーとは?
タッチアンドゴーは、マレーシアで広く利用されているプリペイド式スマートカードになります。
基本機能
- 電車やバスの運賃支払い
- 高速料金の支払い
- 駐車料金の支払い
…などが基本的な機能で、公共交通機関や高速道路をキャッシュレスで利用できる点が便利ポイントです。
上記画像はクアラルンプールのLRT改札機。
Touch Card or Token Hereと書かれた赤い部分にカードをタッチして使います。
導入の歴史と背景
タッチアンドゴーがマレーシアにはじめて導入されたのは1997年。
高速の料金所に導入されたシステムで、現金ではなくカードを利用することでスムーズな流れを生み出し、料金所における混雑を緩和するために開発された技術になります。
進化を続けるタッチアンドゴー
- 2008年:電車やバスに導入
- 2011年:駐車場に導入
- 2017年:Touch ’n Go eWalletを開始
- 2019年:Touch ’n Go RFIDとPayDirectを開始
- 2022年:NFC機能つきタッチアンドゴーの販売開始
高速道路でのサービスからはじまり、駐車場や公共交通機関にサービスを横展開、さらに機能の向上など、進化を続けています。
2017年に開始されたTouch ’n Go eWalletは、タッチアンドゴーの電子マネー決済システムアプリで多様な機能を持ちます。
NFC機能が搭載された新Touch ’n Go
2022年に新しく登場したNFC機能付きのッチアンドゴー。
発売当初はICチップ不足の影響で在庫がなくなっていたこともありましたが、現在は問題なく購入できるようになっています。
NFCカードはシンプルなものから、デザインが施された限定版のカードも販売されています。
また、NFCのタッチアンドゴーには、カード型だけではなく、限定版のキーホルダー型の商品もあり、バッグにぶら下げて使うことができます。
NFCカードは何が異なる?
NFC対応のカードには、
TnG eWallet経由でチャージできる
…という特徴があります。
NFCが搭載されたスマホとTnGのNFCカードがあれば、TNG eWallet(アプリ)経由で、いつでもどこでも、好きな時にチャージすることができ、以前よりも利便性が大きく向上しています。
タッチアンドゴーはどこで買える?
従来のタッチアンドゴーは、マレーシアの色々な場所で販売されています。
例えば、
- Touch ’n Go Hub
- TNGのセルフサービスキオスク(SSK)
- Rapid KL(LRT、MRT、モノレール)の駅のカスタマーサービスオフィス
- ドラッグストア(Watsons)
- 特定のガソリンスタンド
クアラルンプール国際空港
クアラルンプール国際空港にはタッチアンドゴー独自の販売店はありませんが、KKday経由でタッチアンドゴーカードを購入すると、クアラルンプール国際空港でタッチアンドゴーカードを受け取ることができます。
例えば、日本でタッチアンドゴーカードを予約購入し、クアラルンプール空港到着時にタッチアンドゴーカードがすぐもらえます。
旅行者に非常に便利なサービスです。
KKdayの商品はタッチアンドゴー+Tune TalkのプリペイドSIMカードというセット商品になっていて、クアラルンプール国際空港にあるTune Talkの店舗で引き換える形になります。
タッチアンドゴーハブ(KLセントラル駅)
KLセントラル駅に直結したショッピングモールのNu Sentralにあるタッチアンドゴーハブ。
Nu SentralのLevel2にタッチアンドゴーハブがあります。
クアラルンプール国際空港からKLIAエクスプレスを利用する場合、KLセントラル駅に到着したらすぐに購入できる便利な販売スポットです。
タッチアンドゴーハブで販売されているカードの種類。
TNGセルフサービスキオスク
タッチアンドゴーのセルフサービスキオスクでも、カードの購入ができます。
上記画像はタッチアンドゴーハブにあるセルフサービスキオスク。
セルフサービスキオスクでは、カードの購入のほか、カード情報の閲覧やチャージができます。
タッチアンドゴーのセルフサービスキオスクは、タッチアンドゴーハブ以外にも設置されていることがあります。
上記画像はKLセントラル駅のLRTの切符売場にあるセルフサービスキオスクになります。
機械で簡単に買いたいという場合は、キオスク利用が便利です。
タッチアンドゴーの買い方
セルフサービスキオスクの場合
セルフサービスキオスクを使って購入する場合は、画面の表示に従うだけで購入できます。
- 言語を選択
- カード購入(Card Purchase)を選択
- リロードしたい金額を選択
- 確認(Confirm)のボタンをタップ
- 現金を投入(必要な金額をぴったり入れる)
- カードとレシートを受け取る
…こんな流れになります。
タッチアンドゴーハブのサービスカウンターの場合
各窓口で購入する場合は、「タッチアンドゴーを購入したい」と伝えるだけで購入できます。
タッチアンドゴーハブには、お店の入口近くに順番待ち用の機械があるので、券を取ってから呼び出されるのを待ちます。
Touch ’n Goの価格(値段はいくら?)
タッチアンドゴーハブでは、普通カード1枚あたりRM10で販売されています。
従来のカードもNFCカードも、同じ価格のRM10です。
ただし、これはカード本体の価格で、チャージなしの値段になるため、カード購入時や利用前にチャージ(リロード)することを忘れないようにしてください。
Watsonsには、ドラッグストアの会員カードにタッチアンドゴーの機能がついたカードがあり、RM20で販売されています。
Watsonsで買い物する時に会員専用の割引価格が適用されたり、カードを有効化するとボーナスポイントがもらえたりと様々な特典があります。
ワトソンズは色々な場所にあるので、タッチアンドゴーを買う購入スポットとして便利です。
Touch ’n Go NFCカードはスーパーのポイント利用でも購入できる
マレーシア在住者向けの情報になりますが、タッチアンドゴーNFCカードは、クアラルンプールやペナン、ジョホールバルのVillage GrocerやBen’s Independent Grocer、Leisure Grocer、BSC Fine Foodsにて、Bitesポイントとの交換(950ポイント)で購入することが可能です。
2022年12月末から開始されたBitesメンバー向けのサービスで、サービスカウンターで声をかけると対応してくれます。
タッチアンドゴーハブでNFCカードの在庫がなかった時に、この方法でNFCカードを購入することができました。
NFCカード自体で品薄で在庫に限りがあるので、店舗によってはカードがないケースも考えられますが、Bitesポイントが余っていてNFCカードが欲しい場合は、スーパーで購入する方法も一案です。
Touch ’n Goに有効期限はある?
有効期限はあり、カードの種類によって異なる年数になっています。
- 従来のタッチアンドゴー:10年
- NFCのタッチアンドゴー:7年
1年間全くチャージしたり利用していない場合は、休眠カードとなり、使えなくなってしまうので注意してください。
カードの有効期限は、カードの裏に記載されています。
EXPのところに記載されている数字が有効期限を示します。
「01/29」であれば、2029年1月が有効期限になります。
マレーシアを訪れる旅行者にTnGは必要?
マレーシア在住者には便利なタッチアンドゴーですが、旅行者にはあると便利なケースと不要なケースがあります。
あると便利なケース
マレーシア滞在中に、バスや電車に乗る機会が多い場合は、Touch ’n Go(タッチアンドゴー)があると便利です。
また、バスに乗る時は必須なので、タッチアンドゴーを購入することをおすすめします。
KL TravelPassという選択肢も
クアラルンプールを短期滞在で訪れる旅行者の人には、タッチアンドゴーではなく、KL TravelPassを利用する方法もあります。
KL TravelPassは、KLIAエクスプレスの乗車券(片道または往復)とRapid KLのLRT/MRT/モノレールが2日間乗り放題になったパスで、
- KLIAエクスプレス片道がセットになったパス:RM75
- KLIAエクスプレス往復がセットになったパス:RM120
…で購入可能です。
バス(Rapid KL Bus)やKTMに乗車するには、トラベルパスに別途お金をチャージする必要があります。(2023年2月時点の情報に基づきます)
KLエクスプレスが往復でRM100程度かかり、タッチアンドゴーのカード代がRM10、それにプラスしてチャージが必要になるので、KL TravelPassは使い方によっては便利です。
KL TravelPassは、KLIAエクスプレスのカウンターで購入できるほか、日本にいながらオンライン購入も可能です。
Hop-on Hop-offも便利
クアラルンプール観光が中心であれば、乗り降り自由の観光バスのHop-on Hop-off(ホップオンホップオフ)の利用も便利です。
Hop-on Hop-oggの停留所がクアラルンプールの主要観光スポットをほぼ網羅しているので、クアラルンプール観光に便利な乗り物になります。
不必要なケース
移動手段はGrabやタクシー中心で、バスや電車を利用する予定があまりなければ、タッチアンドゴーがなくても大丈夫です。
もし、LRTやMRTなどを利用する必要がある時は、その都度、切符(トークン)を購入すれば良いので、電車に数回乗車する程度であれば、タッチアンドゴーがなくても特に不便ではありません。
クアラルンプール市内の主要観光スポットはHop-on Hop-offで周遊し、郊外にある観光スポットはGrabを使う…という組み合わせも便利です。
タッチアンドゴーカードのチャージ方法
Touch ’n Goのマークがついた機械があれば、画面操作をするだけで簡単にチャージできます。
タッチアンドゴーをセルフサービスキオスクでチャージする場合、
- 手数料が無料の場所
- 手数料(50セント)がかかる場所
…があります。
ここでは簡単な方法として、公共交通機関の駅に設置されているセルフサービスキオスクを使ったチャージ(リロード)方法について紹介します。(チャージ料金がかからない方法になります)
チャージの手順【ケース①タッチアンドゴーキオスク】
上記画像のサービスキオスクはKLセントラル駅のLRT券売機の近くにあるものですが、クアラルンプール国際空港など色々な場所に設置されています。
最初にサービスの選択をします。
ここではTouch ’n Go Cardをタップ。
続いて、Reload(リロード)ボタンをタップします。
カードの残高をチェックしたい時はBalanceボタンを押すと確認できます。
Insert card hereと書かれている場所にカードを差し込みます。
紙幣を投入します。
画面に記載されているように、複数の紙幣を投入する時は、1枚ずつ入れます。
また、機械によって使えない紙幣もあるので、念のため画面の注意事項に目を通してください。
お金を投入したら、チャージが完了する画面が表示されるのを待ったのち、最後にレシートとカードを受け取って手続きが完了です。
チャージの手順【ケース②セルフサービスキオスク】
チャージができる機械には色々なものがありますが、上記とは異なる別の機械を使ってチャージする方法について紹介します。
チャージの流れは基本的に同じです。
利用したいサービスを選択します。
ここではチャージをしたいので、「Touch ’n Go Reload」のボタンをタップします。
タッチアンドゴーカードを置いてくださいという指示が表示されます。
「Place card here」と書かれたところにタッチアンドゴーを置き、画面の「PROCEED」ボタンをタップします。
カード情報の読み取りが始まるので、そのまま待ちます。
チャージしたい金額(Reload Amount)を画面で選択すれば、チャージ完了です。
画面に残高や有効期限が表示されます。
アプリでチャージする場合
TNG eWallet(アプリ)を利用している場合、オンラインでチャージすることができます。
この場合、NFC対応したタッチアンドゴーカードが必要になります。
また、事前にタッチアンドゴーカードをアプリにリンクさせる必要があり、アプリのTNG Cardから登録&チャージができます。
まとめ
マレーシアの公共交通機関を使う時に非常に便利なTouch ’n Go(タッチアンドゴー)。
旅行者の人には必要なケースと、必要ではないケースがありますが、電車に乗ることが多い場合はリピーターの方は一枚持っていると便利です。
以上、マレーシアのタッチアンドゴーについての紹介でした!