マレーシアの空の玄関口、クアラルンプール国際空港。
その広々とした明るい空間は多くの旅行客を魅了しています。
この記事では初めてクアラルンプール国際空港(KLIA)を利用する方に向けて、
「これだけ知っておけば大丈夫!」
…という情報をまとめて紹介します。
本記事はKLIAのターミナル1に焦点をあてて詳細を紹介しています。
エアアジアなど搭乗予定のエアラインによって、KLIA2(ターミナル2)を利用するケースがあると思うので、ご利用のエアラインの到着&出発ターミナル情報をご確認の上、読み進めてください。
クアラルンプール国際空港とは?
クアラルンプール国際空港を英語で表記すると、Kuala Lumpur International Airport。
それぞれの頭文字を取ってKLIA(ケーエルアイエー)と呼ばれています。
KLIAとKLIA2
クアラルンプール国際空港(KLIA)全体としては、以下2つのターミナルがあります。
- KLIA(1998年開港)
- KLIA2(2014年開港)
KLIAはマレーシア航空のハブターミナルになっているほか、主要エアラインが発着しているメインターミナルになります。
KLIA2はエアアジアのハブターミナルであり、多くのLCCのフライトが発着しています。
2023年2月9日、マレーシア政府がKLIAとKLIA2のリブランディングを発表し、現在はそれぞれKLIA Terminal 1(ターミナル1)とKLIA Terminal 2(ターミナル2)という呼称が使われています。
黒川紀章氏によるデザイン
クアラルンプール国際空港(KLIA)ターミナル1は、世界的建築家の黒川紀章氏によってデザインされた空港です。
特に自然光を活かしたサテライトビル内のデザインが秀逸で、随所にアーティスティックな雰囲気を感じることができます。
また、ターミナルの中心部に“森”があり、これがクアラルンプール国際空港の象徴になっています。
地図で見るクアラルンプール国際空港

クアラルンプール国際空港はSelangor(スランゴール)州のSepang(セパン)という場所にあります。
Sepangはクアラルンプール中心部から見て南部に位置し、その距離は直線距離で約45km。
クアラルンプール国際空港とクアラルンプール市内中心部を結ぶ空港線の電車があり、空港駅から電車に搭乗した時の終着駅がKLセントラル駅になります。

空港線の電車を利用する場合の距離は約57km、車を使って道路でアクセスする場合、60km程度の距離になります。
KLIAエクスプレス利用で空港からKLセントラル駅まで約30分、車では道路状況にもよりますが1時間ほどかかります。
クアラルンプール国際空港のディレクトリ
最新情報はクアラルンプール国際空港の公式サイトで確認する形がおすすめです。
KLIA1 Directory
KLIA1 website
…などのキーワードで検索すると、公式サイトがヒットします。
飲食店の情報はディレクトリを活用して調べると最新情報がチェックできます。
ターミナル1の構造マップ
クアラルンプール国際空港ターミナル1は、
- メインターミナルビル
- コンタクトピア
- サテライトビル
…というブロックで構成されています。
それぞれの位置関係を図にしてみたものがこちら。

主要な国際線の乗り入れはサテライトビル内で行われています。(ゲートCがある場所になります)
コンタクトピアーとサテライトビルは、エアロトレイン(Aerotrain)という電車で繋がっているので、メインターミナル&コンタクトピアーとサテライトビル間の移動は電車を使います。
老朽化のため長い間アップグレード作業が続いていたエアロトレインですが、2025年7月1日に正式再開しました。そのため、シャトルバスではなくエアロトレインで簡単に移動できるようになっています。(再開後、ちょっとしたトラブルがありましたが、運行しています)
メインターミナルビル
到着ホールや出発ホールがあるメインターミナルビル。
メインターミナルビルはLevel 1〜Level 5までの構造になっています。
メインターミナルビルは非制限エリアと制限エリアがあり、非制限エリアのフロアは以下のように構成されています。
- Level 5:出発ホール
- Level 4:エアラインオフィス
- Level3:到着ホール/エアポートタクシー乗り場
- Level 2:駐車場、フードコート、KL方面などへのバス乗り場
- Level 1:KLIAエクスプレス/Grab/シャトルバス乗り場
メインターミナルのエレベーターには2種類あり、Level 1の行き先が異なっています。

1つはKLIAエクスプレスやKLIAトランジット乗り場に行くエレベーター。
KLIAエクスプレス行きのエレベーターはピンク色をしています。

もう1つはGrab乗り場やターミナル間の移動に使うシャトルバス乗り場に行くエレベーター。
シャトルバスやGrab方面行きのエレベーターは青色になっています。
KLIAエクスプレス乗り場もGrabやシャトルバス乗り場も同じLevel 1にありますが、内部でフロアが区切られていて、それぞれ専用のエレベーターやエスカーレターを使ってアクセスします。
Level 5:出発ホール

チェックインカウンターがあるLevel 5の出発ホール。

国際線と国内線の出発口があり、国際線の時はInternational Departures、国内線の時はDomestic Departuresの方向に向かって歩いて行いていきます。

こちらはLevel 5にある国際線出発ゲート。
ゲートを通過し、エレベーターで下った先に出国審査を受けるイミグレーションがあります。
Level 5のビューイングエリア

出発ホールの奥の方にはViewing Area(ビューイングエリア)と呼ばれる場所があり、飛行機の離発着を眺めることができるエリアになっています。
やや分かりにくい場所にありますが、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンがある通路をずっと奥に進んだところにビューイングエリアがあります。
Level 4:エアラインオフィス

エアラインオフィスがあるLevel 4。
Level 4にはバーガーキングがあるほか、無料で使えるシャワールームもあります。
ただし、お手洗いの中の一部にシャワーブースがあるというイメージで、水しか出ないこともあり、あまり快適ではありません。
シャワー設備を使いたい時は有料になりますがラウンジ利用がおすすめです。
非制限エリアの場合、Level 2にあるケプラークラブ(ランドサイド)の利用が便利です。
乗り継ぎや出国審査後の待ち時間にシャワーを浴びたい場合、ケプラークラブ(エアサイド)、スカイスイートエアポートラウンジ、プラザプレミアムラウンジ、マレーシア航空ゴールデンラウンジなどでシャワーを使うことができます。

Level 3:到着ホール/エアポートタクシー乗り場

Level 3にある国際線および国内線の到着ホール。
エアポートタクシー乗り場
空港からエアポートタクシーを利用する場合、乗り場はLevel3にあります。
到着フロアを出て、そのまま外に出ると、そこが乗り場になります。

プリペイドSIM販売スポット

到着フロアにあるプリペイドSIM販売店。
マレーシア現地でSIMカードを購入したい時に便利なスポットです。

KKdayを利用して予約すると、タッチアンドゴー&プリペイドSIMセット商品をLevel 3にあるTune Talkのお店で受け取ることが可能です。

Level 2:駐車場、サマサマホテルの連絡通路、KL方面のバス乗り場

駐車場やクアラルンプール方面などへのバス乗り場があるLevel 2。
サマサマホテルKLIAに繋がるスカイブリッジもLevel 2にあり、このフロアからサマサマホテルに徒歩でアクセスできます。(バギーサービスもありますが徒歩で簡単にアクセス可能です)

Level 2にあるフードコートのフードガーデンKLIA。

Level 1:KLIAエクスプレス乗り場/Grab/シャトルバス乗り場

KLIAエクスプレス/KLIAトランジット乗り場があるLevel 1。


Grabを利用する時は、Level 1のDoor3やDoor4がピックアップポイントになります。
到着フロアからGrab乗り場までのアクセス方法は以下の記事で紹介しています。

ターミナル間の移動に使うシャトルバスや三井アウトレットパーク行きのシャトルバスもGrab乗り場と同じLevel 1から乗車できます。

コンタクトピアー

メインターミナルビルとサテライトビルの間にあるもの、それがコンタクトピアー(Contact Pier)。
クアラルンプールから国際線で出発する場合、イミグレーションで出国審査を受けた先にあり、エアロトレイン前に広がるエリアがコンタクトピアーになります。
コンタクトピアーは、
- 国際線フロアのCPI(Contact Pier International Level)
- 国内線フロアのCPD(Contact Pier Domestic Level)
…という2つのエリアに分かれています。

青いエリアがCPI、黄色のエリアがCPDです。
CPIとCPDは異なる階層になっていて、メインターミナルビルのLevel3にCPDがあり、その上にCPIが位置しています。
①のCPIには、近距離の国際線フライトのゲート(ゲートH&ゲートG)のほか、サテライトビルにアクセスするエアロトレインの乗り場があります。
②CPDは国内線搭乗ゲートがあり、クアラルンプール国際空港(KLIA)発着の国内線を利用する時に使用するエリアになります。
同じKLIAターミナル1内で国際線から国内線に乗り継ぐ場合(+乗り継ぎの搭乗券を持っている場合)はCPDにあるTransfer Counter(乗り継ぎカウンター)に行き、そこにあるイミグレーションで入国手続+手荷物チェックし、国内線ゲートに移動します。
KLIAの乗り継ぎはわかりやすく、スムーズな流れなので、それほど迷うことはないと思います。
メインターミナルビルとサテライトビルを繋ぐエアロトレイン

コンタクトピアー&メインターミナルビルとサテライトビル間の移動に利用できるエアロトレイン。

エアロトレインは無料で利用できます。
サテライトビル

- 国際線搭乗ゲート(C1〜C37)
- ラウンジ
- 飲食店
- 免税店
- お土産ショップ
- トランジットホテル
…などがサテライトビルにあります。
サテライトビルは大きな吹き抜けが象徴になっていて、一面にあるガラスの窓から自然光が差し込み、とても明るい雰囲気です。
建物の中にいるという閉塞感が全くない、開放的な気分を味わうことができます。
サテライトビルのフロアマップ
サテライトビルは、
- Level Ground
- Level Passenger
- Level Mezzanine
..という3層のフロアで構成されています。
エアロトレインや各ゲートがあるのがLevel Passenger(レベルパッセンジャー)です。
Level Mezzanine(レベルメザニン)は中二階で、様々な飲食店があります。
Level Groundは地上階で、エアロトレインの運行が停止されていた期間、代行手段としてシャトルバスが使われていた時に乗客もよく利用していましたが、エアロトレインの運行が再開された現在はほとんど利用することがなくなっています。

レベルパッセンジャーは、中央にあるJungle Boardwalkという緑溢れるスペースを中心に、東西南北の4つのエリア(ノース、サウス、ウェスト、イースト)に分かれています。
上記は昔のフロアマップで、現在はデジタル化しています。

サテライトビルにある実際のマップがこちら。
画面にタッチして検索することができるので、サテライトビルで迷った時に活用してください。

レベルパッセンジャーにあるC1からC27までのゲートCの各搭乗口。

サテライトビルにいると方向感覚がわからなくなることがありますが、各ゲートへの方向が空港内にわかりやすく示されています。
また、レベルパッセンジャーの上にあるのが中二階(メザニン)です。
空港の中に森がある

サテライトビル中央にあるJungle Boardwalk。

乗り継ぎの待ち時間で長時間ターミナル内にいると、「外の空気を吸ってリフレッシュしたい…」と感じることがあるかと思います。
そんな時はJungle Boardwalkに行くと、気分転換することができます。

KLIA1のご飯スポット
クアラルンプール国際空港(KLIA)には、
- レストラン
- カフェ
- バー
- ファストフード
- フードコート
…など、色々なお店があります。
パンデミック前にあったお店がなくなってしまっていたり、少し変化がありますが、新しいお店がグッと増えています。
詳細は以下の記事にまとめています。

KLIA1の買い物スポット

主要買い物スポットのサテライトビル。
免税店のほか、たくさんの土産店があります。
空港のお土産アイテムについては以下の記事で紹介しています。

コンビニはある?

メインターミナルビルの非制限エリア(Level 5)にセブンイレブンがあるほか、コンタクトピアー(国際線&国内線)にeXPRESSというコンビニがあります。

また、ちょっとした飴やお菓子はサテライトビルにあるWH Smithでも購入できます。
ドラッグストアのGuardianもサテライトビルにあり、キャンディーなどのお菓子が買えます。
KLIA1の施設【休憩スポット】
マッサージ【制限エリア】

サテライトビルの中二階にあるTenang Spa by Sohum Wellness。
マッサージを受けることができるスパで、シャワーだけの利用も可能です。

こちらが料金表。
ラウンジ【制限エリア】
クアラルンプール国際空港には、サテライトビルとメインターミナルビルに以下のラウンジがあります。
- マレーシア航空インターナショナルゴールデンラウンジ
- トラベルクラブラウンジ
- グローバルラウンジ
- スカイスイートエアポートラウンジ
- プラザプレミアムラウンジ/プラザプレミアムファースト
- マレーシア航空リージョナルゴールデンラウンジ
- マレーシア航空ドメスティックゴールデンラウンジ
ラウンジ情報詳細は以下の記事にまとめています。

また、ファストトラックサービスを利用して、ラウンジを利用する方法もあります。

トランジットホテル【制限エリア】

サテライトビルにあるトランジットホテルのサマサマエクスプレス。
同じエリアにスカイスイートエアポートラウンジもあります。

Kepler Club(エアサイド)もトランジットホテルとして利用できるほか、ラウンジ利用も可能です。
Kepler ClubのゲストはTenang Spa by Sohum Wellnessの料金が20%オフになるので、マッサージを受けに行っても良いと思います。(割引は2025年8月時点の情報に基づきます)

出発ホールのカプセルホテル&ラウンジ【非制限エリア】

Level 5の出発ホールに新しくできたカプセルトランジットスリープラウンジ。
非制限区域にあるカプセルホテルで、Level 5にあるCosta Coffee(コスタコーヒー)の奥に位置しています。


非制限区域にあるホテルとしては、Level 2にあるケプラークラブ(ランドサイド)も便利です。
上記で紹介したカプセルトランジットスリープラウンジにはラウンジ内にシャワーやトイレがありませんが、ケプラークラブにはトイレもシャワー設備もあるので便利です。

ターミナル1からターミナル2への移動
ターミナル間の移動には、KLIAトランジットやシャトルバスが利用できます。
シャトルバスは無料、KLIAトランジットは片道RM2かかります。
乗り場はどちらもLevel 1にあります。

まとめ:マレーシアの空の玄関、KLIAは便利な空港
クアラルンプール国際空港(KLIA)は大きな空港であるため、はじめて利用する場合は戸惑うことがあるかもしれません。
ただし、空港の構造(メインターミナルビル、コンタクトピアー、サテライトビル)を事前に把握しておくことで、どのように移動したら良いのか、どのように動くべきかということが把握しやすくなるはずです。
また、シンガポールのチャンギ国際空港と比較すると、それほど混雑していないことが多いため、乗り継ぎの待ち時間にのんびり過ごすことができる居心地の良い空港です。
時間が許す限り、色々なお店やスポットに足を運んで、空港で過ごす時間を楽しんでください。

