マレーシアの先住民や部族の伝統技術を活かし、コンテンポラリーデザインに仕上げたバッグやポーチなどの雑貨を取り扱うEarth Heir(アース エア)。
ローカルの職人たちを支援する取り組みに加え、サステナビリティや環境に配慮したコンセプトをベースにするブランドで、買い物する意義があるお店です。
マレーシアのEarth Heir(アースエア)とは?
2013年創業のEarth Heir(アース エア)。
ファイナンスを専門とするバッググラウンドをベースに、輝かしい学歴とキャリアを持つマレーシア出身のSasibai Kimisさんが立ち上げた企業になります。
環境サステナビリティに配慮した社会的事業を行う
地球や大地を意味するEarth、継承者、後継者、相続人を意味するHeirという2つの言葉が使われたブランド名から、「環境に関係したブランドかな?」と気づく人がいるかもしれません。
実際に、
To Build Nations and Generations as Heirs of the Earth
…がEarth Heirの企業理念になっていて、単純に営利の追求をするビジネスではなく、社会問題や環境サステナビリティに配慮した活動に取り組むソーシャルビジネスを行っています。
伝統技術を守り、職人をサポートする
マレーシアの先住民、部族、民族に伝わる伝統技術。
これらの伝統技術の担い手のなかには、不当な環境下にいたり、それだけで生計を立てるには難しいという厳しい現実に直面している人々がいます。
Earth Heirは、これらの人々に商品開発の段階から関わり、商品価値向上のために、伝統の技にコンテンポラリーなデザインの要素を取り入れるアドバイスをするなど、職人とのコラボレーションや人材育成を行っています。
これがマレーシアに残るクラフトマンシップの伝統を守り、技術を持った人々の生活をサポートする社会的事業になっています。
フェアトレードにも注力
Earth Heirは、職人たちの生活を守るために、フェアトレードにも力を入れていて、WFTO(世界フェアトレード連盟)から認証を受けています。
Earth Heirの商品
素敵なものがたくさんありますが、いくつかピックアップして紹介します。
マレーシア伝統の手編みかごバッグ
1つ1つ手編みで作り上げるかごバッグ。
マレーシア・ボルネオ島のサラワク州には、先住民の人々に受け継がれる手編みのバッグがあります。
伝統のバッグをおしゃれにアレンジしたものが、
- Nelly (ネリー)
- Diana(ダイアナ)
- Stella(ステラ)
- Jackie(ジャッキー)
…などのEarth Heirのかごバッグシリーズ。
サイズやデザインによって価格は異なりますが、RM285〜RM355(日本円で8,550円〜10,650円程度)の商品が多いです。
近年、Sarawak州の先住民バッグは色々な場所で販売されていますが、Earth Heirが手がけるかごバッグは、持ち手にレザーを使っていたり、オーガナイザーがセットになったバッグがあったり、プラスαの価値をつけているところがポイントです。
イバン族伝統手織りの布地を使ったクラッチバッグ
Earth HeirのIkat luxury Clutchシリーズ。
部分的に染め分けをした糸で織った絣布を意味するIkatという言葉がベースになっている商品シリーズで、Pua Kumbuと呼ばれるボルネオ島のイバン族に伝わる伝統的なデザインパターンの布地を使ったクラッチバッグになります。
手織りの布地はサバ州で作られたものを使っていて、バッグの表面にはビーズ刺繍が施されています。
伝統とアートが融合したアーティスティックなバッグです。
ミニポーチやブレスレットなどの小物
マレー語でOrang Asli(オランアスリ)と呼ばれる先住民は、ボルネオ島だけではなく、マレー半島にも存在します。
例えば、クアラルンプール近郊のクラン港近くのPulau Carey(キャリー島)で暮らす先住民、Mah Meri(マーメリ)。
上記画像のブレスレットは、Mah Meriの部族の人々によって作られたものになります。
こちらもMah Meriの人々がpandanusという植物を使って手編みしたケース。
元々は檳榔(英語でBetal nuts)を収納するために使われていたポーチになります。
綺麗なグラデーションが印象的なEarth HeirのMah Meriケースは、作成に時間がかかることから、やや高額になっていますが、伝統技術の美しさが光るとても素敵な商品です。
上記のケースの価格はRM201で、日本円で6,000円ちょっとという価格になっています。
Mah Meriのケースはやや高めですが、お手頃価格の商品もあります。
それが上記画像のHandwoven Mengkuang Pochette。
マレーシアのトレンガヌ州で作られた手編みのケース商品になります。
マレー語でmengkuangと呼ばれる植物を使った葉を刈り取り、乾燥させ、色染めしたものをマット状に編み込み、そこからケース状にしています。
こちらが原材料となるMengkuang。
ケースの大きさにもよりますが、小さいサイズだとRM21(日本円で600円程度)で購入できます。
Handwoven Mengkuang Pochetteは、色々な使い方ができます。
横幅は13.5cm程度。
大きさのイメージとしては、ポケットティッシュがすっぽり入るサイズ感です。
ロキソニンなどの薬がそのまま入る大きさなので、私は外出する時にいつも持ち歩いている常備薬ケースとして使っています。
ちょっとしたメイクアイテムも入る大きさで、アイライナーはそのまま横入れできます。
旅行に持っていくミニサイズのスキンケアアイテムも余裕で入るので、色々な活用方法があります。
ニョニャビーズ刺繍の小銭入れ
Earth Heirでは、先住民や部族の伝統工芸品だけではなく、ニョニャの商品も取り扱っています。(ただし、取り扱い商品は限定されています)
上記画像はニョニャに伝わるビーズ刺繍で作られた小銭入れ。
ニョニャのビーズ刺繍は手間がかかることに加え、若い世代の担い手が少なく、消えゆくアートと言われているので、貴重です。
難民が手がけたMADE51のジュエリー
難民による手工芸品を販売するMADE51。
MADE51はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)により立ち上げられたブランドで、難民の人々が持つ技術を活かして作られた手工芸品を世界に流通させ、難民の自立や生活のサポートを促す国連プロジェクトになります。
MADE51の公式パートナーであるEarth Heirでは、マレーシアで暮らすアフガニスタン、パレスチナ、シリア、イラン、ミャンマーからの難民の人々と直接コラボの上、手がけたジュエリーを販売しています。
ピアス、イヤリング、ブレスレット、ネックレスなどのジュエリーがあり、すごくかわいいものが多いです。
メインデザインパターンは、全て手縫いです。
マレーシアの海にインスパイアされて誕生したオーシャンシリーズ。
貝殻や牡蠣などがモチーフになっています。
お店の人の情報によると、今後新しいコレクションが入荷されるそうなので、もっと色々なジュエリー商品が店頭に並ぶ予定です。
リサイクルプラスチックを使った商品
Earth Heirでは、環境問題に関わる取り組みとして、Sea Monkey Projectというプロジェクトが主導して作ったリサイクルプラスチックを活用した商品の販売をしています。
リサイクルプラスチックを使った櫛、ネックレス、お皿、おもちゃなどの商品があります。
お店の外のスペースに、リサイクルプラスチックを作る機械のほか、リサイクルプラスチックを使って作られた商品が展示されています。
ちなみに、Sea Monkey Projectは、創業者の家族(旦那さんと娘さん)が立ち上げたプロジェクトになります。
啓蒙活動として、ワークショップが行われることもあります。
店舗ロケーションとアクセス方法
住所:30, First Floor, Jalan Hang Kasturi, Kuala Lumpur City Centre, 50050 Kuala Lumpur, Federal Territory of Kuala Lumpur
最寄駅は、LRTまたはMRTのPasar Seni駅。
セントラルマーケットの外側のKasturi Walk沿いにお店があります。
ただし、Earth Heirの店舗は2階部分にあるため、入口を見逃さないように注意してください。
目印となるものがNala Designsのセントラルマーケット店(Nala Kasturi)で、Nala Kasturiの横にある入口からアクセスします。
上記画像の左手側に見えるものがNala Kasturiで、その横にある通路の奥にある階段で2階に行くと、Earth Heirがあります。(エレベーターも利用できます。)
ちなみに、2023年11月にお店をリニューアルするそうで、11月以降に行くとお店の中が少し変わっているかもしれません。
また、Earth Heirの商品は、公式サイトでも確認できるので、興味がある場合は公式サイトをチェックしてみてください。(各商品の価格情報も調べることができます)
マレーシア国内の郵送はもちろんのこと、国際郵送にも対応しているので、例えば日本から商品を購入することも可能です。
詳細は公式サイトのShippingで確認できます。(日本語表記もあります)
まとめ
Earth Heirは、お店の人が親切で、一つ一つの商品の背景にあるストーリーを丁寧に説明してくれます。
どの商品にも意味があり、買い物する意義があるなと感じるお店です。
クアラルンプールを訪れる旅行者の人は、セントラルマーケットに足を運ぶことが多いと思うので、ぜひEarth Heirにも立ち寄ってみてください。
以上、マレーシアのEarth Heirについての紹介でした!