ボルネオ島で暮らす先住民、Penanの女性たちが手がける手編みのかごバッグ。
Penan Bagsと呼ばれる、一つずつ丁寧に作られたそのバッグはデザイン性の高さに加え、品質の良さを兼ね揃える逸品です。
一目見ただけで心が鷲掴みされるくらい魅力ある商品が豊富で、かごバッグ好きや雑貨好きにはたまらないものがあります。
この記事ではPenan Bagsの詳細について紹介します。
マレーシアの先住民(Penan)とバッグの関係
数多くの部族が存在するマレーシアのボルネオ島。
Penanの人々はマレーシアのサラワク州のほか、ブルネイで暮らす先住民になります。
元々、森の中で暮らし、狩猟や採集を行い状況に応じて生活場所を変える移動型(ノマド)の部族として知られています。
しなしながら、時代の変化とともに現在では半移動型として、食料を森に依存しつつ村に定住する人が増え、従来のように森の中で移動しながら暮らす人はごく一部になっています。
生活様式が変わった背景には、政府や海外の宣教師による施策もありますが、森林伐採・パームオイルプランテーション・ダムの建設といった開発が彼らのライフスタイルに大きな影響を及ぼしたと言われています。
開発により生活の場を奪われたPenanの人々
ボルネオ島において、輸出用の木材確保という商業目的の大規模な森林伐採がはじまったのは1970年代。
違法伐採や皆伐が行われたことにより、わずか数十年の間にボルネオ島の熱帯雨林が大きく減少、生態系への影響が世界的な問題として取り上げられるようになりました。
過剰な森林伐採は森と共存し森の中で生活していたPenanの人々にも大きな影響を及ぼしました。
Penanの人々は人権問題、教育、医療など、様々な問題を抱えています。
Penanの人々を支える団体
そんなPenanの人々やそのコミュニティを支えるために立ち上がった団体がいくつかあります。
例えば、Helping Hands PenanやPenan Women Project。
どちらもPenanの女性たちが作るかごバッグやバスケットなどを販売し、その収益をPenanコミュニティに還元しています。
こちらはHelping Hands Penanの活動内容について記載されたものです。
医療、住環境の改善、子供たちへの教育などの支援が唱えられています。
伝統技術を活用しファッショナブルなかごバッグへ
Penanの人々にはラタン(籐)や竹などを編み込んでバスケットやブレスレット、マットなどを作る慣習があります。
伝統のバスケットに近いものがこちら。
その伝統技術を活用しつつ、現代のマーケットに合わせて作り上げたものがPenan Bagsです。
素材はプラスチックであるPVC(ポリ塩化ビニル)を用い、デザインも伝統のパターンからモダンなものまで幅広く展開しています。
従来のラタンは素材の確保や加工が難しくなっていること、耐久性の問題もあり、プラスチックを採用しているという背景があります。
PVCで作ったバッグは商業的なもので、Penanの人々は実際に使うことはあるのかな?と思っていたのですが、以前、Penanの人々に関するドキュメンタリーを見ていた時に、森で山菜採りをしているPenanの男性がPVCで作られたカラフルなリュックスタイルのバッグを背負って使っていた姿を見て、「ああ、今でもこんな風に使っているんだな…」と感じたことを覚えています。
かごバッグの商品ラインと価格
新作も続々と出ていますが、商品の一部を取り上げて紹介します。
価格はデザインや大きさによって異なりますが、かごバッグに関してはRM70〜RM100の価格帯のものが多くなっています。
シングルカラーのかごバッグ
落ち着きのあるシングルカラーのかごバッグ。
カジュアル過ぎない上品さがあり、普段使いにおすすめです。
上記画像のグリーンのかごバッグは小さめサイズの商品で価格はRM75。
水色のかごバッグ。
ビビッドなイエローやブルーもあります。
また、品のあるホワイトカラーシリーズも高い人気を誇っています。
マルチカラーのかごバッグ
鮮やかな色づかいが人気のマルチカラーのかごバッグ。
レインボカラーのほか、複数のデザインパターンがあります。
ツートンカラーのかごバッグ
赤と白のツートンカラー。
シンプルでスタイリッシュなブラック&ホワイト。
ハートデザインのかごバッグ
ハートデザインのかごバッグ。
ハートシェイプのバッグもあります。
スクエアデザインのかごバッグ
マチが広く、ピクニックに便利なスクエアタイプのかごバッグ。
価格はRM90です。
横長デザインのかごバッグ
横に長いタイプのかごバッグ。
このデザインもかなりかわいいです。
木製ハンドル付きのかごバッグ
プラスチックではなく木製のハンドル(取っ手)が使われたかごバッグ。
色々なデザインがあります。
フラットデザインのかごバッグ
普通のかごバッグと比較して、かさばらないデザインになっているフラットタイプのかごバッグ。
ポーチ
ちょとしたお出かけに使えるポーチ。
クラッチバッグ
クラッチバッグもあります。
カラフルカラーがかわいいクラッチバッグ。
価格はRM80です。
控えめな淡いカラーのクラッチバッグも素敵です。
小物
ちょっとした小物を収納したい時に使えるかごケース。
こんな小物入れもあります。
上記のほか、ランドリーバッグもあり、インテリアにすっと馴染むような素敵なデザインになっています。
Penan Bagsはここが良い!というポイント
Penanのかごバッグ愛用者として「ここが良い!」というポイントについて簡単に紹介します。
デザイン性の高さ
こちらのかごバッグはPenan伝統のデザインパターンが採用されているものになりますが、カラフルな色づかいにより”伝統とかわいい”が共存しているバッグになっています。
後ろのデザインがフロントデザインと異なっているところもポイントです。
あまり目立たないものの、細やかな仕事が行われていることがわかります。
丁寧な作り
手編みで丁寧に作られています。
きっちりと編み込まれている上、留め具や取っ手の部分の作りもかなり精密です。
実際に使ってみると、品質の高さを感じることができます。
丈夫で使い勝手が良い
デザインの良さに加え、かごバッグの丈夫さも特筆すべきポイントです。
他の国で購入した安物のかごバッグも使っていますが、Penanのかごバッグとの違いはその丈夫さ。
安物のかごバッグは使っているうちにヘナっとなってしまう作りの弱さが気になっていますが、Penanのかごバッグの強度はかなり強く頑丈です。
底の部分もしっかり作られているので、へたることなく使えます。
一つだけデメリットを挙げるとすれば、取っ手の部分が少し硬いため、重たいものを入れてバッグを肩にかけて使っていると、肩が痛くなることがある点です。
そのため、重さのあるものを入れて長時間肩にかけて使う…という場合にはあまり適していないと感じています。
かごバッグの販売場所
Helping Hands PenanやPenan Women Projectから購入する形がおすすめです。
Helping Hands Penan
Helping Hands Penanに関しては、クアラルンプールやその近郊都市のショッピングモールでポップアップストアを見かけることがよくあります。
Facebook上に逐一最新の販売情報が更新されているため、興味がある方はFacebookをチェックしてみてください。(開催場所、開催期間、開催時間が明記されています)
こんな感じで、ショッピングモールの一部で販売しています。
>>Helping Hands Penanの公式Facebook
Penan Women Project
Penan Women Projectに関しては、公式サイトに販売店の情報が掲載されています。
その情報によると、クアラルンプール、ペナン、クチン、ミリに販売スポットがあります。
クアラルンプールではVerdant Hill Hotelで購入できる
クアラルンプールのBukit Bintang(ブキッビンタン)エリアにあるVerdant Hill Hotel。
アロー通りまで徒歩10分程度の距離にあるホテルです。
Verdant Hill HotelのロビーでこのようにPenan Bagsが販売されています。
小さめのかごバッグはRM45〜購入可能です。
(個人的な感想ですが、Helping Hands Penanから販売されているかごバッグの方が若干作りが丈夫だな…と感じています。)
バッグのほか、バスケットやクラッチバッグもあります。
Verdant Hill Hotelで販売されたPenan Bagsの収益は、Penan Women Projectを通じてPenanコミュニティーに還元されるという説明書きがあります。
Pullman Hotel Miri
Penang Women Projectのバッグは、Sarawak州にもいくつか販売場所があります。
例えば、ミリではPullman Miri WaterfrontのホテルロビーでPenang Bagsが販売されています。
クチンにおいては、The Poppies、Wonderboom、Pullman Hotelで販売されています。
販売場所詳細はPenang Women Project公式サイトで確認することができます。
セントラルマーケット
価格が少し高くなりますが、クアラルンプールのセントラルマーケットでもPenanのかごバッグが販売されています。
まとめ:マレーシアで購入するお土産におすすめ
Penanの女性たちが手がけるかごバッグはデザイン性も品質も高く、マレーシアで購入するお土産としておすすめすることができます。
単にかわいいというだけではなく、購入することに社会的意義があるバッグです。
マレーシアに遊びに来る機会があれば、ぜひ現地で購入してみてください。