マレーシア、インドネシア、シンガポールなどで親しまれているOtak-Otak(オタオタ)。
インドネシア発祥のフィッシュケーキだと言われていますが、マレーシアのオタオタは独自の進化を遂げ、ユニークな特徴を持ちます。
Otak-Otak(オタオタ)とは?
魚の切り身やすり身にスパイスペーストを混ぜたものを葉で包み、焼くまたは蒸して作られるフィッシュケーキのOtak-Otak。
漢字表記は烏達(繁体字表記は乌达)になります。
Otak-Otakの発音
Otak-Otakの発音はオタオタ。
Otakのkの音は軽く発音し、しっかり「ク」と発音しないので、オタックオタックではなく、オタオタになります。
Otak-Otakの意味
マレー語やインドネシア語で、Otakは脳という意味を持ちます。
ただ、Otak-Otak自体に何かの脳が使われているわけではなく、オタオタの主材料は魚とスパイスになります。
マレーシアのオタオタの特徴
インドネシアのスマトラが発祥地と言われるOtak-Otak(オタオタ)。
インドネシアのオタオタは白っぽい色をしていて、バナナの葉を使うところが特徴です。
一方、マレーシアのOtak-Otak(オタオタ)は、
- スパイスミックスに唐辛子やターメリックを使う
- 焼いて作る時は椰子の葉を使うことがある
…という特徴があります。
特にスパイスミックスに唐辛子やターメリックを使うことから、フィッシュケーキが赤やオレンジ、黄色っぽい色をしているところが特徴です。
唐辛子やターメリックで作るスパイスミックス
…などのスパイス類を混ぜてスパイスミックスのベースが作られています。
ここにシュリンプペーストのBelacan(ブラチャン)やキャンドルナッツを加えることもあります。
フレッシュスパイスを使う
唐辛子に関してはドライチリを使うことが多いものの、そのほかのスパイスは全てフレッシュなものを使用します。
例えば、ターメリックであれば、パウダータイプのものではなく、生のターメリックを使っています。
ターメリックは鮮やかな黄色の元になります。
スパイスペーストのブレンドにより、オレンジ色っぽく仕上がったり…
赤っぽく仕上がったりします。
赤みが強いものは、唐辛子が多めに使われています。
伝統製法では乳棒と乳鉢でスパイスミックスを作る
伝統的な製法では、乳棒と乳鉢を使いスパイスをすりつぶしてスパイスミックスを作ります。
ただ、現在は乳棒と乳鉢を使うよりも、ブレンダーを使う方が一般的です。
このスパイスミックスのベースに、魚やココナッツミルク、卵などを加え、さらにタピオカ粉なコーンスターチのような粉を加えてフィッシュペーストの元が完成します。
また、ニョニャ式のオタオタには香りづけにKaffir Limeの葉(コブミカンの葉)を細く千切りにしたものを加えます。
最後に、フィッシュペーストを葉に包んで、焼くまたは蒸して仕上げます。
ヤシの葉もバナナの葉も使う
Otak-Otak(オタオタ)を焼く時は、
- ニッパヤシ(Nipa Palm)の葉
- バナナの葉
…のいずれかを使用します。
こちらがニッパヤシ(Nipa Palm)の葉で包んで焼いたオタオタ。
椰子の葉をを使うところは、マレーシアのオタオタの特徴です。
椰子の葉を使用する時は2枚の葉を使ってフィッシュペーストを包み、両端を爪楊枝で止めます。
また、椰子の葉は焼いて作るオタオタにのみ使われ、蒸して作る時には使用しません。
一方、蒸して作るOtak-Otak(オタオタ)には、バナナの葉を使うことが一般的です。
マレーシアのオタオタの種類
マレーシアのOtak-Otak(オタオタ)は、
- Muar(ムア)式【グリルタイプ】
- Penang(ペナン)ニョニャ式【スティームタイプ】
…という2種類に分類することができます。
よくあるのは、①のムア式です。
Muar(ムア)式オタオタ【焼いて作る】
Johor(ジョホール)州のMuar(ムア)で有名なオタオタは、マレーシア全体で広く親しまれているものになります。
特に、椰子の葉で巻いてグリルしたオタオタは香りが良く、オタオタの美味しさを引き上げてくれる重要な要素になっています。
バナナの葉を使ってグリルしたオタオタよりも美味しいと感じています。
ペナン・ニョニャ式オタオタ【蒸して作る】
マレーシアでは、
Otak-Otak=ペナンのプラナカン料理
…というイメージもあり、ペナンのニョニャレストランで提供されるオタオタは、上記画像のように蒸して作られるものが定番です。
ペナンニョニャ式オタオタの特徴
ペナンのニョニャスタイルのオタオタは、
- バナナの葉で包んで蒸す
- Daun Kadukをバナナの葉の上に置き、その上にフィッシュペーストをのせる
- 魚の切り身を使う
…という点がポイントで、Muar(ムア)式とは異なるユニークな特徴があります。
Daun Kadukは英語でWild Betal Leafと呼ばれる葉で、Nasi Ulam(ナシウラム)などの料理に使います。(上記画像のニョニャ式オタオタの下にある葉がDaun Kadukになります。)
また、ニョニャ式は魚をミンチ状態にするのではなく、割としっかりした大きさのある魚の切り身を使い、それをスパイスペーストに混ぜ合わせています。
エビのオタオタもある
オタオタは魚を使うことが定番ですが、エビなどの魚介類を加えたアレンジ版のオタオタも存在します。
見た目にはあまり違いが分かりませんが、エビを使ったオタオタは、フィッシュペーストのなかにエビのプリプリっとした切り身がなかに入っていて美味しいです。
オタオタの食べ方と味
- そのまま食べる
- 白いご飯と一緒に食べる
…が一般的です。
Otak Otakはどんな味?美味しい?
スパイスブレンドにより味が多少異なりますが、スパイスの豊かな香りに魚の旨味が混ざり合った味です。
グリルしたオタオタはスモーキーな味がして、より美味しいです。
ある程度の辛さがあるので、辛いものがすごく苦手!という人には少し辛いかもしれません。
また、マレー系のお店が作るオタオタと中華系のお店が作るオタオタの味は少し異なり、中華系のオタオタの方がマイルドな味つけになっていることが多いです。
マレーシアのどこで食べることができる?
ホーカーセンターで販売されていたり、レストランで提供されています。
価格はどこで食べるのかにより異なりますが、ホーカーセンターや露店では、グリルタイプのオタオタ1本あたりRM1〜RM1.50程度(日本円で約30円〜50円)で購入できます。
ここではクアラルンプールにあるオタオタが食べることができる場所をピックアップして紹介します。
K88フードコート
クアラルンプール市内中心部から少し離れていますが、個人的なおすすめはK88というホーカーセンターにあるオタオタのお店。
魚のオタオタに加え、エビのオタオタも販売しているほか、グリルしたものと蒸したものの選択肢があります。
グリルしたオタオタは、最小5本から購入することができ、魚とエビのミックスのオタオタは10本RM16程度で購入できます。
グリルしたエビのオタオタが特に美味しいです。
ヘリテージコピティアム
ヘリテージコピティアムでも美味しいオタオタを提供しています。
ヘリテージコピティアムのオタオタは蒸して作るタイプで、なかにはエビが入っています。
ニョニャ式のオタオタが食べたい時はニョニャレストランに足を運ぶ形が定番ですが、ヘリテージコピティアムは気軽にオタオタを食べることができる場所としておすすめです。
マダムクワンズ
クアラルンプール中心部でオタオタが食べたい時は、マダムクワンズの利用が便利です。
バナナの葉に包んで焼き上げたオタオタを提供しています。
まとめ
ユニークな特徴を持つマレーシアのOtak-Otak(オタオタ)。
とても美味しいフィッシュケーキで、ちょっとお腹が空いたな…という時におすすめの料理です。
以上、マレーシアのOtak-Otak(オタオタ)についての紹介でした!