【姓周橋Chew Jetty】ペナンのクランジェッティーの概要と楽しみ方

Chew Jetty(チュージェッティー)があるペナン島のクランジェッティー

ペナンにある水上集落、クランジェッティー

ユネスコの世界遺産登録により注目を集め、多くの観光客が足を運ぶようになったことから活性化しつつある場所ですが、元々は中国の福建省からペナンに移り住んだ人たちが一族ごとに集落を形成し、慎ましく暮らしていた場所です。

この記事ではクランジェッティーの概要と最大の規模を誇る姓周橋(Chew Jetty)について紹介します。

目次

ペナンのクランジェッティーとは?

ペナンの水上集落のClan Jetties(クランジェッティー)

海の上に建てられた高床式の住居が立ち並ぶ、水上集落のクランジェッティー(Clan Jetties)

元来、クランジェッティーには、

  • 姓林橋(Lim Jetty)
  • 姓周橋(Chew Jetty)
  • 姓陳橋(Tan Jetty)
  • 姓李橋(Lee Jetty)
  • 姓楊橋(Yeoh Jetty)
  • 姓王橋(Ong Jetty)
  • 雑姓橋(New Jetty/Mixed Surname Jetty)
  • 姓郭橋(Koay Jetty)
  • 平安橋(Peng Aun Jetty)

…をはじめ、様々なクランジェッティーがありました。

同じ名字を持つ一族(Clan/クラン)が集まって生活していたことから、林・周・陳などそれぞれの氏をとって各桟橋が名づけられています。(一部、複数の氏がミックスされた集落もあります)

姓郭橋(Koay Jetty)と平安橋(Peng Aun Jetty)は取り壊されてしまったため、現存するものは7つと言われています。

観光地化しつつあるクランジェッティー(Clan Jetties)ですが、現在もこの場所で生活をしているローカルの人々がいます。

中国の福建省からペナンに渡ってきた人々の水上集落

標準中国語を習ったことがある方は、各一族の名字を見て、標準語の読み方と異なる!ということに気づくと思います。

  • 林(Lim)=標準語:Lín
  • 周(Chew)=標準語:Zhōu
  • 陳(Tan)=標準語:Chén
  • 李(Lee)=標準語:Lǐ
  • 楊(Yeoh)=標準語:Yáng
  • 郭(Koay)=標準語:Guō

標準中国語の発音と異なる理由は、福建語(閩南語)の発音となっているためです。

いずれも19世紀の半ば以降に、中国の福建省からより良い生活を求めてペナンに渡ってきた人々であり、故郷で使っていた閩南語(福建語)呼び方がそのまま適用されています。

ウェルドキーとクランジェッティー

ペナンのWeld Quay(ウェルドキー)
Weld Quay

クランジェッティーがあるエリアは、Weld Quay(ウェルドキー)と呼ばれています。

付近にはフェリーターミナルやSwettenham Pierがあり、イギリス統治時代に交易の場として繁栄していた場所になります。

Weld Quayで働く中華系労働者の住居として形成されたものがClan Jetty(クランジェッティー)です。

ペナンのクランジェッティーの地図
クランジェッティーのイメージマップ

Weld Quay(ウェルドキー)の周辺に姓林橋や姓周橋など、各クランジェッティーがあります。

取り壊しの危機があった

元々は土地を購入する十分なお金がなかった人々が住む場所として水上に作られたクランジェッティー。

クランジェッティーの歴史と価値を尊重する識者がいる一方で、アーバンスラム化していたクランジェッティーに対し、良い印象を持たない人も多く、取り壊しをするべきだという声もありました。

都市開発の影響を受けて、取り壊されてしまったクランジェッティーもありますが、ジョージタウンがユネスコの世界遺産に登録されてからは、クランジェッティーの価値が見直され、観光客が集まる場所になっています。

姓周橋(Chew Jetty)の概要

ペナンのChew Jetty(チュージェッティー)の入り口

クランジェッティーの中で最大規模を誇る姓周橋(Chew Jetty、チュージェッティー)

観光客の受け入れに積極的なクランジェッティーとして知られています。

姓周橋(chew jetty)の概要を説明する看板

入口付近にある上記の看板に概要が記載されているので、その情報を元に姓周橋(Chew Jetty)について紹介します。

  • 建立:19世紀半ば
  • 一族の出身地:中国福建省泉州同安县杏林社
  • 規模:Part1(182m)・Part2(122m)
  • 家屋数:75

Part1とPart2という2つの桟橋があります。

姓周橋(Chew Jetty)にある家屋のうち、その多くは住居からお土産屋さんや食べ物屋さんなど観光客向けに商売をする場所に変化しています。

チュージェッティーはどんなところ?

姓周橋(chew jetty)の入口付近にある朝元宮

こちらは姓周橋(Chew Jetty)の入口前にある朝元宮というお寺。

姓周橋(chew jetty)の入口

姓周橋(Chew Jetty)の入口。

姓周橋(chew jetty)の内部

海の上に建てられた住居の間に通路があり、通り抜けできるようになっています。

道の両脇ではお土産や食べ物を販売しているお店が多く、お買い物スポットになっています。

姓周橋(chew jetty)にある水上集合住宅

水上集落から見える海。

姓周橋(chew jetty)にあるボート

桟橋には船がありますが、実際に地元の漁師の人が海老や魚を釣っています。

姓周橋(chew jetty)にある埠頭

姓周橋(Chew Jetty)の埠頭。

姓周橋(chew jetty)にある感天宮

感天宮というお寺があります。

姓周橋(chew jetty)からの眺め

埠頭から見える風景。

姓周橋(chew jetty)から見える海

ペナンの街を眺めることができます。

日中はとても暑くなる場所なので、日差しが弱まる夕方の訪問の方がおすすめです。

お土産アイテムが安い!

姓周橋(chew jetty)にあるお土産屋さん

姓周橋にはお土産屋さんがあります。

アルメニアン通りなどジョージタウンの中でも多くの観光客が集まるお土産屋さんと比較して、同じお土産アイテムがRM5〜RM10ほど安くなっていることがあります。

姓周橋(chew jetty)で販売されているお土産

例えばストリートアートがデザインされたこちらのポーチセットはわずかRM10です。

バッグ類も安く販売されています。

Chew Jettyにある食事スポット

ペナンのチュージェッティーにあるBig Bowl Noodles

姓周橋(Chew Jetty)には食事スポットがいくつかあり、有名なお店はCHEW JETTY BIG BOWL NOODLES

巨大なお碗で麺類を提供する有名なお店です。

姓周橋(chew jetty)で販売されているドリアンの食べ物

ドリアン関連の食べ物を販売しているお店もあります。

姓周橋(Chew Jetty)を訪れる時の注意事項

姓周橋(Chew Jetty)は観光地化されているものの、現在でも地元の方が生活する場所であるため、訪問する上でいくつか注意事項があります。

  • 訪問時間は9:00〜21:00
  • 騒いだり大きい声で話さないこと
  • 住居に不法侵入しないこと
  • ゴミのポイ捨てをしないこと

上記は姓周橋(Chew Jetty)の入口にある看板に記載されている注意事項になります。

チュージェッティーのロケーション&行き方

住所:Chew Jetty, Weld Quay, George Town, 10300 George Town, Pulau Pinang

アルメニアンストリートからまっすぐ海がある方向に歩いていくと、姓周橋(Chew Jetty)に到着します。

ペナンの姓林橋(Lim Jetty)
姓林橋(Lim Jetty)

姓林橋(Lim Jetty)や姓陳橋(Tan Jetty)など、近くに他のクランジェッティー(Clan Jetties)もあるので、興味がある方は足を運んでみてください。

まとめ

姓周橋(Chew Jetty)をはじめクランジェッティーは派手な観光スポットではないことから、訪れてみて落胆してしまう人がいるかもしれません。

ただし、クランジェッティーの歴史を知り、どんな形で水上集落が形成されているのかを実際に見ることができるという意味においては、意義のある観光スポットです。

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この記事を書いた人

海外在住歴10年以上。留学、海外インターンシップ、海外勤務で欧米やアジアなど数カ国に在住。
台湾在住を経て、現在はマレーシアでの生活をメインにしています。

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