【自家製テンペの作り方&ポイント】大豆やひよこ豆で作る優しい味の発酵食品

自家製テンペの作り方(手作り)

インドネシアのジャワを起源とするテンペ(Tempeh)

主に大豆を使って作られるテンペは植物性タンパク質を手軽に摂取することができる発酵食品です。

そんなテンペはシンプルな材料で簡単に手作りすることができ、オーガニック素材を揃えれば、自家製オーガニックテンペも作ることが可能です。

この記事ではテンペの作り方とポイントについて紹介します。

目次

手作りテンペに必要な材料

手作りテンペの材料

テンペ作りに必要なものは…

  • 大豆
  • テンペ菌(テンペスターター)

テンペ菌を購入するのではなく、一から作る方法もありますが、テンペ菌が手に入れやすい国に住んでいる場合は、テンペ菌を購入して作る方が簡単です。

大豆以外の豆でもテンペを作ることができる?

大豆が使われることが多いテンペですが、ひよこ豆や黒豆など大豆以外の豆のほか、穀物を使って作られることもあります。

ただ、はじめて作る時は失敗が少なく作りやすい大豆がおすすめです。

テンペ菌(テンペスターター)

テンペ菌

英語でTempeh Starter(テンペスターター)と呼ばれているテンペ菌

rhizopus oligosporusという菌が使われていて、インドネシアやマレーシアではragi tempeh(ラギ テンペ)と呼ばれています。

インドネシアのRaprimaというブランドのテンペ菌(テンペスターター)が有名で、マレーシアで購入する場合、ShopeeやLazada経由でオンライン購入が可能です。

私はRasamasaというマレーシアのローカルブランドのオーガニックテンペ菌を使っていて、20gのものをRM39で購入しました。

Rasamasaのテンペ菌もShopeeやLazadaのほか、マレーシアにあるオーガニックショップのjustlifeでも取り扱いをしています。(justlifeはクアラルンプールやプタリンジャヤを中心に店舗があり、Mid ValleyのThe Gardens Mallにも店舗があります)

りんご酢

りんご酢(アップルサイダービネガー)

普通の穀物酢も使えますが、私はオーガニックのりんご酢を好んで使っています。

りんご酢はサラダドレッシングを作る時のほか、少量の酢を水に入れて飲んだりと、色々な使い道があるため、自宅にストックしておくと便利です。

テンペの作り方

ここからはテンペの作り方について紹介します。

大豆を一晩水に浸す

一晩水に浸した大豆

大豆をたっぷりの水に一晩つけます。

大豆の分量はお好きな分量で構いませんが、私は乾燥大豆200gで作ることが多いです。(水に浸すと倍以上に増えるため、400g以上になります。)

もっとたくさん作りたい時は乾燥大豆400gや500gなど大きな単位で作っても良いと思いますが、ステップ②で紹介する大豆の薄皮むき作業が大変なので、個人的には200gがちょうど良いな…と感じています。

また、はじめてテンペ作りをする時は200gくらいからはじめる形がおすすめです。

薄皮をむいて半分に割る

大豆の薄皮

水に浸した大豆を茹でる前に、

  1. 大豆の薄皮剥き
  2. 薄皮を剥いた大豆を半分に割る

…という大切な下準備があります。

薄皮をむいた大豆

薄皮を剥く作業が少し大変ですが、薄皮自体は簡単にむけます。

また皮をむいた大豆は手でグッと押すと半分に割れます。

薄皮をむいて半分にした大豆

これで茹でる前の下準備が完了です。

薄皮は大豆を茹でる前に剥きます。茹でた後に大豆の皮を剥くと、手の細菌が大豆に付着してしまうため、茹でる前に薄皮を剥き、大豆を茹でたあとは極力直接手で大豆に触れないようにします。

大豆を煮る

大豆の茹で具合を確認しているところ

適度な硬さになるまで茹でます。

目安としては、完全に柔らかくなる前の一歩手前。

私はちょっとした歯応えのあるテンペの方が好きなので、柔らかくなり過ぎないように茹で加減に注意し、少しだけ硬いかな…と思う硬さにしています。

茹で時間の目安は40分〜50分になります。

酢を入れる

大豆にりんご酢を加えるところ

大豆が理想の硬さになってきたら、鍋に酢を入れます。

乾燥大豆100gにつき、大さじ1程度の酢を入れています。

酢を入れるタイミングは、茹でている最中のほか、茹で上がってから加えるパターンもありますが、私は大豆が茹で上がったと感じる最終段階で入れています。

水を切って、水分を飛ばす

大豆の水分を飛ばしているところ

大豆が茹で上がったらお湯をきり、鍋の余熱で残った水分を飛ばします

ざるに上げ大豆を人肌になるまで冷まします

大豆の冷ます温度は熱すぎても冷たすぎてもダメで、テンペ菌の活動が活発になる人肌という温度がポイントになります。

あまりにも熱すぎるとテンペ菌が死んでしまい、冷た過ぎるとテンペ菌の活動が鈍くなるためです。

テンペ菌を加えてよく混ぜる

茹でた大豆にテンペ菌を加えているところ

大豆が人肌に冷めたら、テンペ菌を加えます。

大豆にテンペ菌を混ぜているところ

テンペ菌が大豆全体に行き渡るように、よく混ぜます。

オーガニックのテンペ菌

私が使っているテンペ菌は容器のなかに付属のスプーンがあり、その指示通りの分量のテンペ菌を入れるようにしていますが、500gの乾燥大豆に小さじ1のテンペ菌…という割合で作っているレシピが多いです。

大豆を包んで発酵させる

Tempeh(テンペ)を包む方法には色々な方ものがあります。

一番手軽な方法はジップロック。

ジップロックを使う

ジップロックに入れたテンペ

テンペ菌を混ぜた大豆をジップロックなどに入れます。

竹串で穴を開けたジップロックに入れたTempeh(テンペ)

ジップロックを使用する時は空気の出入りができるよう、竹串などで穴を開けることがポイントです。

大豆を入れる前にジップロックに穴を開けておきます。

バナナリーフ(バナナの葉)を使う

バナナの葉(バナナリーフ)

バナナの葉(バナナリーフ)も使えます。

テンペ用の大豆をバナナリーフで包んでいるところ

バナナリーフの上に大豆を置いて…

バナナリーフで包んだテンペ

包みます。

Simpor Airの葉を使う

テンペ作りに使われるDillenia suffruticosa(Simpoh Air)の葉

東南アジアでよく見かけるDillenia suffruticosaの葉もTempeh(テンペ)作りに使えます。

マレーシアではSimpoh Airと呼ばれている植物になります。

Dillenia suffruticosa(Simpoh Air)の花と葉
Dillenia suffruticosa(Simpoh Air)の花

Dillenia suffruticosaの花はブルネイの国花として知られています。

Dillenia suffruticosa(Simpoh Air)で包んだテンペ

Dillenia suffruticosa(Simpoh Air)はバナナリーフよりも包みやく、Tempeh(テンペ)作りに適していると感じています。

Dillenia suffruticosa(Simpoh Air)で包んだテンペに爪楊枝をさしたところ

つなぎ目は爪楊枝でとめたり、輪ゴムを使っています。

発酵の最終過程になると、テンペ菌自体が熱を発して熱くなるので、ジップロックなどプラスチック素材のものを使うことをやめて、バナナリーフ(バナナの葉)やDillenia suffruticosa(Simpoh Air)など自然なものを使うようになりましたが、はじめてテンペを作る場合はジップロックを使う方が簡単です。(ジップロックは透明なので発酵の進捗が見えることがメリットです。)

発酵させる

ジップロックに入れて発酵の準備をしている状態のテンペ
発酵前の状態

大豆をジップロックなどに入れたら、あとは発酵させるだけです。

発酵温度は30度〜32度で、発酵時間は24時間〜48時間になります。

12時間後、24時間後など、定期的に発酵具合をチェックします。(私自身は発酵時間トータル24時間〜30時間で作っています。)

24時間発酵させたテンペ
発酵24時間後の状態

時間の経過とともに大豆表面にポツポツと白い菌糸があらわれ、最終的に一気に全体を覆います。

白いケーキのような状態になったら完成です。(白い菌糸があらわれるまでは時間がかかり、その後一気に発酵が進み、白いケーキ状態になります。)

この状態で、手で触って「温かい…」と感じます。

完成したテンペを取り出します。

完成したTempeh(テンペ)にできた黒い胞子

黒いものができていることがありますが、黒い胞子で害はないと言われています。

テンペの作り方

あとは好きな厚さにカットして…

ウスターソースとバルサミコ酢で味つけした手作りテンペ

揚げたり、焼いたりしていただきます。

インドネシアやマレーシアでは、テンペを油で揚げたのち、サンバルソースと一緒に調理する食べ方が一般的です。

Tempeh Goreng(テンペゴレン)

上記画像はマレーシアの飲食店で購入したTempeh Goreng。

油でサクッと揚げたテンペになります。

インドネシアやマレーシアには揚げたテンペを使った炒め物の料理もあります。

テンペは冷凍保存が可能

自家製のTempeh(テンペ)をスライスしたところ

テンペは冷凍保存が可能であるため、すぐに食べない分は冷凍保存する形がおすすめです。

冷蔵庫に入れて解凍するか、時間がない時はレンジの解凍機能を使って解凍すれば、すぐに調理に取り掛かれるので、1品足りない…という時に便利です。

ひよこ豆で作るテンペ

一晩水につけたひよこ豆

ひよこ豆(Chickpeas/Garbanzo)でもテンペを作ることができます。

薄皮つきのひよこ豆と薄皮をむいて半分に割ったひよこ豆
薄皮つきのひよこ豆(左)と薄皮をむいたひよこ豆(右)

大豆で作る時と同じ手順で、水に一晩浸す→薄皮をむいて半分に割る→茹でて酢を加える→冷ます→テンペ菌を加える→発酵という流れで作ります。

ひよこ豆(Chickpeas)で作ったTempeh(テンペ)
ひよこ豆のテンペ

ひよこ豆のテンペも美味しいですが、大豆の方がくせがないテイストです。

失敗を回避するためのポイント

失敗せずテンペを作るポイントと仕上がりが綺麗なテンペを作るためのポイントについて紹介します。

大豆の薄皮を剥いて半分に割る

薄皮を向いて半分にした大豆と薄皮つきの大豆

テンペ作りはシンプルではあるものの、面倒くさいと感じるプロセスが大豆の薄皮むき

ただ、この過程が大切で、テンペ作りを成功させるためのポイントの1つだと感じています。

薄皮をむいて大豆を半分に割らず、そのままの状態でテンペを作ってみたことがありますが、薄皮をむいて半分に割って作ったものと比較すると、出来栄えが異なりました。

大豆の薄皮を剥いて半分に割った方が白い菌が満遍なく大豆を覆い、仕上がりが綺麗です。

また、薄皮を剥かない+大豆を丸ごと使うと、白い菌の密度が弱く、スカスカの状態になることがあります。

そのため、面倒ではあるものの薄皮むき+半分に割るという下準備はしっかりするようにしています。

以前は薄皮を1つ1つ剥いていたものの、Tempeh(テンペ)作りに慣れてきてからは、大豆を浸した鍋のなかで皮むきと半分に割る作業をざっと行い、最後に薄皮と大豆を分けるという方法に変えていますが、これで失敗することなくTempeh(テンペ)作りができています。

適性な発酵温度(30℃〜32℃)を保つ

温度が高過ぎると雑菌が増殖し腐敗してしまい、温度が低過ぎると発酵に時間がかかるため、温度管理も重要です。

寒いところにお住まいの場合や寒い時期はしっかりとした温度管理が必要になります。

私は年中温かいところに住んでいるので、放置しておいても自然に発酵が進んでいきますが、暑くなり過ぎたり、またエアコンの風があたって寒くなるような温度の変化を受けやすい場所に置かず、オーブンのなかやキッチンキャビネットのなかに置いて発酵させています。

この場合、24時間〜30時間で発酵が完了しています。

気温が低い場合は、完成までに48時間程度の時間がかかることがあります。

まとめ

テンペが好きで普段からよくテンペを購入していたものの、オーガニックのテンペが食べたいと思ったことがテンペを手作りするきっかけになりました。

はじめて作った時は「本当にできるのかな?」と恐る恐る作っていましたが、実際に作ってみるとプロセス自体はシンプルで簡単だと感じています。

今では気が向いた時にテンペを作って、その都度冷凍庫で保存、ストックがなくなったら、また作る…という形にして、テンペを常備しています。

自分好みの硬さに大豆を茹でて、フレッシュなテンペを食べることができることも手作りすることのメリットです。

以上、手作りテンペについての紹介でした!

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この記事を書いた人

海外在住歴10年以上。留学、海外インターンシップ、海外勤務で欧米やアジアなど数カ国に在住。
台湾在住を経て、現在はマレーシアでの生活をメインにしています。

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