海外在住者が日本のVODを視聴する時にマストアイテムとも言えるVPN。
また、海外旅行中にVPNを使いたい人もたくさんいると思います。
様々なVPNがあるので、

どのVPNを選ぶのが正解?速度が早くて安定しているのはどれ?
…と迷ってしまうことはありませんか?
この記事では主要4社をピックアップの上、マレーシアで通信速度を測定、料金や使いやすさを比較した上でおすすめVPNについて紹介します。
比較したVPN4社
今回比較したのは、
MillenVPNは日本の企業、それ以外は海外企業になります。
NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkは多くのユーザーを抱える世界的に有名なVPN企業です。
中国でのVPN接続に強いと言われるUCSSもあり、中国で利用するならUCSSやMillenVPNが選択肢になりますが、ここでは海外で一般的に使える主要VPNかつ日本人に使いやすいという観点から上記4つを比較対象にしています。
表でパッとみる比較まとめ
Nord | Millen | Express | Surfshark | |
---|---|---|---|---|
料金 | ||||
通信速度 | ||||
サーバー数 | 7,200 以上 | 2,000 以上 | 3,000 以上 | 3,200 以上 |
同時接続デバイス数 | 10台 | 無制限 | 8台 | 無制限 |
30日間返金保証 | あり | あり* | あり | あり |
本社拠点 | パナマ | 日本 | 英領ヴァージン諸島 | オランダ |
ノーログポリシー | ||||
キルスイッチ |
Nord | Millen | Express | Surfshark | |
---|---|---|---|---|
料金 | ||||
速度 | ||||
サーバー数 | 7,200以上 | 2,000以上 | 3,000以上 | 3,200以上 |
同時接続デバイス | 10台 | 無制限 | 8台 | 無制限 |
30日間返金保証 | あり | あり* | あり | あり |
本社 | パナマ | 日本 | 英領 ヴァージン諸島 | オランダ |
ノーログポリシー | ||||
キルスイッチ |
VPN月額料金比較
1ヶ月 | 12ヶ月 | 24ヶ月 | |
---|---|---|---|
NordVPN | $12.99 | $4.99(合計$59.88) | $3.39(合計$81.36) |
MillenVPN | $11.99 | $3.59(合計$43.08) | $2.89(合計$69.36) |
ExpressVPN | $12.95 | $6.67(合計$99.95*) | $4.99(合計$139.72*) |
Surfshark | $15.45 | $3.19(合計$47.85*) | $2.19(合計$59.13*) |
1ヶ月 | 12ヶ月 | 24ヶ月 | |
---|---|---|---|
NordVPN | $12.99 | $4.99 (計$59.88) | $3.39 (計$81.36) |
MillenVPN | $11.99 | $3.59 (計$43.08) | $2.89 (計$69.36) |
ExpressVPN | $12.95 | $6.67 (計$99.95) | $4.99 (計$139.72) |
Surfshark | $15.45 | $3.19 (計$47.85) | $2.19 (計$59.13) |
上記はドルベースでの料金比較になり、日本円にすると為替により料金が変わってきますが、
- 1ヶ月プランで2,000円前後
- 12ヶ月プランで合計7,000円〜1万円程度
- 24ヶ月プランで合計9,000円〜21,000円前後
…というざっくりとしたイメージになります。
当然ですが、どのVPNも24ヶ月プランが一番お得で、契約期間が長いほど月額料金が安くなり、月あたり数百円という安さになります。
例えば、MillenVPNの24ヶ月プランの場合、月あたり396円
MillenVPNは1ヶ月プランのほか長期プランも実質安いものの、Surfsharkは長期プランに無料3ヵ月をプラスしていることで月額料金が最も安くなっています。
VPN速度比較【海外(マレーシア)→日本のサーバー接続】
それぞれのVPNを使い、マレーシア(クアラルンプール)で通信速度を計測してみました。
今回計測に利用したインターネット回線は、
- マレーシアの光回線(TIME)
- マレーシアのモバイル回線(hotlink・Maxis回線)
計測に利用したデバイスは、
- Mac mini(デスクトップ)
- iPhone15(スマホ)
同じ場所、同じ時間帯で計測しています。
また、海外在住の場合、日本のVODを利用したいケースが多いと思うので、日本のVPNサーバーに接続した時の通信速度を計測しています。
デスクトップ&光回線(Wi-Fi)

下りMbps | 上りMbps | |
---|---|---|
NordVPN | 562.60 | 158.35 |
MillenVPN | 308.21 | 269.44 |
ExpressVPN | 542.90 | 394.17 |
Surfshark | 350.92 | 180.22 |
スマホ&モバイル回線

下りMbps | 上りMbps | |
---|---|---|
NordVPN | 176 | 2.71 |
MillenVPN | 210 | 2.72 |
ExpressVPN | 121 | 2.80 |
Surfshark | 220 | 2.80 |
スマホ&光回線(Wi-Fi)

下りMbps | 上りMbps | |
---|---|---|
NordVPN | 307 | 66.5 |
MillenVPN | 339 | 182 |
ExpressVPN | 354 | 142 |
Surfshark | 377 | 182 |
口コミで速いと言われているのはExpressVPNやNordVPNであるものの、インターネット回線やデバイスにより最速でないケースもあり、動画を視聴する分にはどのVPNも快適。
VPNサーバー数比較
サーバー台数 | |
---|---|
NordVPN | 7,200台以上 |
MillenVPN | 2,000台以上 |
ExpressVPN | 3,000台以上? |
Surfshark | 3,200台以上 |
ExpressVPNはサーバーを設置している国の数を105カ国と公表していますが、具体的なサーバー数に関しては公表を中止したのか最新の台数については不明です。
一方、NordVPNは世界118カ国に7,200台以上、日本国内にも130台以上のサーバーがあることを明記しています。
サーバー数が多いのはNordVPN。
VPNプロトコル
VPNプロトコル | |
---|---|
NordVPN | NordLynx、OpenVPN(UDP/TCP) |
MillenVPN | WireGuard、IKEv2、IPSec、OpenConnect |
ExpressVPN | Lightway(UDP/TCP)、OpenVPN(UDP/TCP)、IKEv2 |
Surfshark | WireGuard、IKEv2、OpenVPN(UDP/TCP) |
「VPNでデータ通信する時にデータをどのように取り扱うか?」という取り決めを意味するVPNプロトコル。
OpenVPN、IKEv2、IPSecなどと呼ばれるものがVPNプロトコルです。

デフォルト設定では各VPNが推奨するプロトコルが選択された状態になっていますが、設定画面から変更が可能です。
NordVPNについては、IKEv2/IPSecへの切り替えの選択肢はデフォルトになく、別途設定が必要になり少し複雑です。
IKEv2を使いたい場合はNordVPN以外のVPNの方が切り替えが簡単です。
なお、中国などVPN利用が制限されている国でも繋がりやすいと言われているMillenVPNのOpenConnectは、MillenVPN Native OpenConnectとして無料オプションで利用できます。
海外での繋がりやすさ
マレーシアにおいては、NordVPN、MillenVPN、ExpressVPN、Surfsharkのいずれも繋がりにくさを感じたことはなく、どれも快適に使えています。
VPNは利用する国や地域、国の情勢など、様々な要因により繋がりにくかったり、繋がらないことがあります。
特にVPNが違法であったり、規制されている国&地域については、使えないケースもあります。
中国で使えない?繋がりにくいVPN
中国国内の規制が強化されたことにより、NordVPNは最近中国で繋がりにくいという情報があり、公式サイトでも「インターネットの利用が制限されている国からの接続」で、
残念ながら、最近、手動接続とアプリケーションのためのサーバー構成がブロックされたため、現在、中国の地域で接続に関するいくつかの問題が発生しています。当社の開発者はこの問題を認識しており、できるだけ早く修正するよう取り組んでいます。ご不便をおかけして申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。
…と発表しています。
なお、ExpressVPNやSurfsharkは中国で繋がっても通信速度が遅く、MillenVPNのNative OpenConnectだと繋がるという口コミがあります。
そのため、中国での利用を検討している場合はMillenVPNを選ぶ形が良いかもしれません。
どのVPNも世界で広く使えるものの、VPNが違法な国や規制がある国では使えないケースがある。中国に関してはMillenVPNのNative OpenConnect利用が無難。
公式サイトの見やすさ&申込手続きの簡潔さ
日本人の立場からすると日本企業が運営するMillenVPNのWebサイトが一番自然で、日本企業ならではの見やすさが魅力に感じました。
特にプランや料金情報をパッと調べたい時にわかりやすいのがMillenVPNで、一発でわかる明確さがあります。
海外のVPN公式サイトも日本語で使えるものの、英語を訳した独特な言い回しが使われていることもあり、「理解できるけど日本語ではこんな言い方しないな…」と感じることもあります。
もちろん、手続きする上で特に問題はなく、申込手続きに関してはどのVPNも簡単です。
公式サイトが使いやすいのはMillenVPN。申込手続きに関してはどのVPNも簡単。
VPN接続までのセットアップの簡単さ
- VPNアプリをデバイスにダウンロード
- VPNアプリをデバイスにインストール
- ログイン
- VPN接続
…という基本ステップは同じです。
そのため、どのVPNを使っても特に難しいことはありませんが、少しわかりにくいと感じたのはSurfshark。
Surfsharkはセットアップのプロセスでいくつか質問事項があったり、Alternative IDやブラウザの拡張機能に関する説明などが含まれていて色々なチュートリアルがある分、VPN接続するまでのセットアップの説明がやや長いと感じました。
どのVPNでもセットアップのプロセスは基本的に同じで簡単。ただ、Surfsharkはチュートリアルが少し長め。
VPNアプリの使いやすさ

アプリに関してはどのVPNも使いやすく、大きな差を感じませんが、デザインが一番シンプルなのはMillenVPN。
また、NordVPNはブラウザでもスマホでも地図が表示されるので、ビジュアル面で見やすさがあります。
スマホアプリを使っていてオンとオフの表示が明確で使いやすいと感じたのはExpressVPNでした。
同時接続できるデバイス数
サーバー台数 | |
---|---|
NordVPN | 最大10台 |
MillenVPN | 無制限 |
ExpressVPN | 最大8台 |
Surfshark | 無制限 |
MillenVPNは以前は同時接続できるデバイスが10台までと制限があったものの、2024年11月25日から制限が撤廃され現在は無制限となっています。
海外から視聴できるVOD(ストリーミングサービス)
色々なVODがありますが、人気のVODは見ることができます。
Netflix | Amazon Prime Video | Hulu | Abema | U-NEXT | |
---|---|---|---|---|---|
NordVPN | |||||
MillenVPN | |||||
ExpressVPN | |||||
Surfshark |
Netflix | Amazon Prime Video | Hulu | Abema | U-NEXT | |
---|---|---|---|---|---|
Nord | |||||
Millen | |||||
Express | |||||
Surfshark |
VPNを使って日本のサーバーに繋ぐことで、主要な日本向けVODはマレーシアで視聴できていますが、IPアドレスがブロックされると見れなくなることがあるかもしれません。
なお、MillenVPN公式サイトの情報によると、NordVPNやExpressVPNで見れない日本のVODサービスもMillenVPNだと見れるものが多いとなっています。
主要なVODはどのVPNでも大抵見れる。ただし、日本のVODのなかには見れないものもある。この場合、MillenVPNが有利。
30日間返金保証
基本的にどのVPNも30日間の返金保証をしているので、実質無料トライアルができると言えます。
30日間返金保証 | |
---|---|
NordVPN | 全プラン有り |
MillenVPN | サブスクプランで有り |
ExpressVPN | 全プラン有り |
Surfshark | 全プラン有り |
ExpressVPNには7日間の無料トライアルがあります。
MillenVPNに関してはサブスクプランでは30日間の返金保証がありますが、ワンタイムプランだと返金保証なしになるので注意してください。
NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkは全プラン30日間の返金保証あり。MillenVPNは12ヶ月や24ヶ月のサブスクプランのみ返金保証あり。
決済方法
決済方法 | |
---|---|
NordVPN | クレジットカード 、暗号通貨、PayPal、Sofort、プリペイドカードなど |
MillenVPN | クレジットカード、PayPal、銀行振込 |
ExpressVPN | クレジットカード、PayPal、プリペイド/デビットカード、オンライン送金など |
Surfshark | クレジットカード、デビットカード、Google Play ストア、Apple App Storeなど |
MillenVPNはクレジットカード、PayPal、銀行振込の3つに支払方法が限定されていますが、日本国内の銀行振込にも対応しています。
また、MillenVPNは日本円での支払いのほか、USドルでの支払いにも2024年から対応しています。(支払い通貨はブラウザの対応言語によって変更可能です)
NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkは支払い方法の選択肢が豊富。
海外発行のクレジットカードは使える?
海外在住の場合、在住国によりますがドル決済の買い物をする場合、日本のカードを使うよりも海外で発行したクレジットカードを使いたいことがあると思います。
MillenVPNはUSドルで請求されるよりも日本円で決済したかったので日本で発行したクレジットカードを使いましたが、MillenVPN以外のVPNの契約には海外(マレーシア)で発行したクレジットカードで決済しました。
MillenVPNは海外発行のクレジットカードが使えるのか試していないので不明ですが、NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkはグローバル展開する企業なので、当然ながら海外発行のクレジットカードは問題なく利用できました。
解約&返金手続きの簡単さ
簡単さ | |
---|---|
NordVPN | |
MillenVPN | |
ExpressVPN | |
Surfshark |
解約と返金が一番簡単だったのは、MillenVPN。
会員ページからボタン1つでサクッと解約と返金手続きができストレスフリーでした。
NordVPNとSurfsharkも解約と返金の手続きは簡単ですが、返金リクエストにチャットサポートやメールでの連絡が必要で、MillenVPNと比較すると一手間かかります。
ただチャットサポートは自動返信になっていて、返金の連絡をすれば簡単に手続きできました。
ExpressVPNはチャットサポートでオペレーターに解約理由を聞かれ、解約を引き留められるような会話のラリーがあるので、これが少々面倒に感じました。
MillenVPNが一番簡単。
各VPNのメリット&デメリット
NordVPN

- コスパ&速度&信頼性の面で総合点高い
- 中国でVPNに繋がらない口コミあり
パナマを拠点にするNordVPN。
2012年創業でForbes(フォーブス)、Business Insider(ビジネスインサイダー)、The Wall Street Journal(ザ・ウォールストリートジャーナル)など世界的大手の顧客を抱え知名度はピカイチ、信頼性も高いVPNです。
コスト、通信速度、安全面などオールマイティで、VPNの導入を検討しているならまず検討すべきVPNになります。
また、速度が最も安定していて使いやすいと感じたのがNordVPNです。
現状、中国では使えないことがある点がデメリットですが、問題解消に働きかけているとのことなので、今後の改善が期待されます。

MillenVPN

- 安心の日本企業で使いやすい&料金が安い
- 中国VPN対策が随時行われている
- 同時接続デバイス無制限
- 短期プランがあり旅行に便利
- たまに通信速度が遅くなる時がある
日本のアズポケット株式会社が運営するMillenVPN。
日本企業ならではの安心感があるほか、公式サイトが断トツで見やすく、アプリも使いやすいです。
他のVPNも日本語対応しているものの、サポート(ライブチャットなど)は基本的に自動翻訳機能を使う形になるので、しっかりした日本語で対応してもらえるところがMillenVPNの強みでもあり、日本人には安心材料になります。
7日間、15日間、30日間のワンタイムプランがあるところも便利ポイントで、旅行中だけVPNが使いたい時に便利です。

ExpressVPN

- 通信速度が安定して速い
- 料金が高い
イギリス領ヴァージン諸島を拠点とするExpressVPN。
創業2009年、老舗VPNとして有名です。
他のVPNより料金が高いところがネックですが通信は安定していて、VPN接続する時や接続先を切り替えする時、ストリーミングサービスを利用する時に他社よりも速いと感じることが多いです。

Sufshark

- 長期プランが安い
- 同時接続デバイス無制限
- ブラウザ拡張機能が使いやすい
- 通信速度が遅くなる時がある
- VPN接続手続きステップが他VPNより多い
- スマホアプリでVPN接続を切り替える時に時間がかかることがある
2018年創業、オランダを拠点にするSurfshark。
同時接続台数無制限で、たくさんのデバイスをVPN接続したい時に便利であることに加え、長期プランが安いので、VPNの料金に安さを求める時におすすめのVPNです。
オンライン上で使用できる新しいIDとメールアドレスを生成することができるAlternative IDの機能があるなど、セキュリティ関連の機能が充実しています。

総評:海外在住者や海外旅行におすすめのVPNは?
- どの国&地域で利用し、どのVPNサーバーに繋げたいのか?
- 短期で利用するのか、長期で利用するのか?
- 料金面を重視するのか?
…など様々なポイントによりおすすめのVPNが変わってきますが、
- 世界的に人気のVPNを選びたい:NordVPNとExpressVPN
- 料金が手頃:MillenVPNとSurfshark
- 中国で使う:MillenVPN
…という選び方も一案です。
各VPNには特徴がありますが、全て利用してみて、正直どれも満足感は高かったです。
また、MillenVPNは通信速度が遅いと言われることがありますが、速いと言われているNordVPNやExpressVPNと比較してそこまで遅いとは感じませんでした。
個人的にわかりやすくて使いやすいと感じたのは、NordVPNとMillenVPNで、どちらも甲乙付け難い良さがありますが、総合評価ではNordVPNが高く、最もおすすめすることができるVPNです。


