インドネシアをはじめ、マレーシアでも親しまれているSatey(サテー)。
この記事では、マレーシアのサテーの特徴について紹介します。
マレーシアの串料理のSatey(サテー)とは?
インドネシア発祥の料理として知られるSatey(サテー)。
鶏肉などの肉類を竹串にさして焼き上げる串料理です。
サテーはインドネシアの国民食として知られていますが、マレーシアでも日常的に食べる料理の1つとして位置づけられていて、ホーカーセンターや夜市、路上にある露店など、様々な場所で販売されているストリートフードになります。
マレーシアのSatay(サテー)の調理には炭火を使用し、うちわでパタパタとあおぎながら、香ばしく焼きあげます。
SatayそれともSate?
英語表記はSatay。
マレー語やインドネシア語における表記はSate(サテ)になります。
日本の焼き鳥と同じ?
日本の焼き鳥とほぼ同じ食べ物になりますが、下味やソースに特徴があります。
下味に使うスパイス&ハーブ
レモングラス、レッドオニオン、ガランガル、ターメリック、クミンやフェンネルシードなどのスパイス類をブレンドしたものを肉の下味に使います。
サテーがやや黄色っぽい色をしているのは、ターメリックの色味によるものになります。
ソースのベースはピーナッツ
ソースのベースはピーナッツ。
甘みのあるピーナッツソースに肉をディップしながら食べるところがサテーの特徴です。
マレーシアでサテーと言えば、Kajang(カジャン)
マレーシアにおいて、
…というように、スランゴール州にあるKajang(カジャン)という場所が非常に有名です。
Restoran Sate Kajang Hj. SamuriやWilly Satayをはじめ、有名なお店がたくさんあります。
Restoran Sate Kajang Hj. Samuriは、クアラルンプールやプタリン・ジャヤにも多くの支店があり、カジャンの本店まで行かなくても、クアラルンプール近郊でそのサテーを食べることができます。
また、Restoran Sate Kajang Hj. Samuri以外にも、「Kajang」という冠をつけて営業しているサテーのお店が多く、カジャンはマレーシアのサテーを連想する代名詞になっています。
焼き鳥だけじゃない!サテーの種類(バリエーション)
サテーには鶏肉を使うことが多いため、サテー=焼き鳥というイメージがあるものの、鶏肉以外の肉を使ったサテーもあります。
鶏肉以外の定番は牛肉やマトンになりますが、Kajang(カジャン)には、より多様なバリエーションのサテーを販売するお店もあります。
以下にいくつかの種類について紹介します。
Sate Ayam(鶏肉)
サテーのなかで最も定番の肉は、鶏肉。
マレー語で鶏肉を意味するAyam(アヤム)という言葉を使って、Sate Ayam(サテー アヤム)と呼ばれています。
サテーのなかで一番美味しいです。
Sate Daging(牛肉)
Daging(ダギン)は牛肉を意味します。
鶏肉よりもやや歯応えがあるケースが多いです。
Sate Kambing(マトン)
マトンのKambing(カンビン)を使ったサテーも定番の1つになります。
牛肉とは異なる旨味があって美味しいです。
カジャンに多いユニークなサテー
カジャンにはSate PerutやSate Hatiなど、胃や心臓など内臓部分を使ったサテーもあります。
また、サテー専門店のなかには、Sate Arnabを販売しているお店もあり、Sate Arnabはウサギの肉を使ったサテーになります。
こちらは魚を使ったSate Ikan(サテー イカン)。
非イスラム教徒が販売する豚肉のサテー(ポークサテー)
イスラム教で禁忌とされる豚肉は、イスラム教徒の人が経営するサテーのお店で取り扱われることはありません。
しかしながら、非イスラム教徒(主に中華系)の人が経営するサテーのお店では、豚肉のサテー(ポークサテー)を販売していることがあります。
サテーに定番の付け合わせ
サテーを食べる時に定番の付け合わせは、きゅうりと赤玉ねぎ。
そこに、サテーソースのKuah Kacang(クアカチャン)がセットになって提供される形が一般的です。
サテーの横に添えられたきゅうりと赤玉ねぎ。
これを串に刺して肉と一緒に食べたり、ソースにつけて食べたりします。
きゅうりや玉ねぎがあることで口のなかがさっぱりし、口直しになります。
Nasi ImpitやKetupatがセットになっていることも
サテーを販売するお店には、Nasi Impit(Nasi Himpit)を付け合わせの1つとして販売していることがあります。
Nasi Impitはお米で作られているもので、これもサテーによく合います。
Nasi Impitのほか、Ketupatを販売しているケースもあります。
サテーを販売するお店のなかでも、Nasi ImpitやKetupatはマレー系のお店で販売されていることがほとんどであるため、中華系の人が販売するサテーのお店ではNasi Impitを目にすることはあまりないと思います。
サテーソースのKuah Kacang(クアカチャン)
サテーに欠かせないディッピングソースのKuah Kacang(クアカチャン)。
カチャンという言葉が使われている理由は、サテーソースのベースがピーナッツであるためです。
ローストして薄皮を取り除いた落花生を挽いたものをソースに使います。
サテーソースには、ピーナッツのほかに、にんにく、レモングラス、唐辛子、タマリンド、グラマラッカなどを加えて作られています。
サテーソースは国によって色々なレシピがありますが、マレーシアのサテーソースはココナッツミルクや醤油は入れない形が一般的です。
また、Kajang Satayのなかには、サテーソースにチリペーストを加えて提供されることもあります。
沙茶醬とサテーソースの関係
ちなみに、台湾や中国南部などで使われている調味料の沙茶醬。
沙茶醬はサテーソースをベースに作られたもので、福建省など中国南部から南洋に渡ってきた中国の移民が現地で食べたサテーソースのレシピを自国に持ち帰ったことが起源になっています。
福建語(閩南語)の発音で「沙茶」を発音するとサテーになり、マレー語やインドネシア語のSatay(Sate)の音に近い漢字を充てたものになります。
標準中国語の発音で沙茶醬はShā chá jiàngになり、サーチャージャンという音からはサテーソースとの繋がりが見えにくいものがありますが、閩南語ベースの音を聞くと、サテーソースとの関連性がよくわかります。
また、沙茶醬と言っても、地域によって味が異なりますが、台湾の沙茶醬は魚の香りが強めで、ピーナッツを使っていないため、インドネシアやマレーシアのサテーソースとは異なるユニークな味を持ちます。(全く別物とも言える味です。)
マレーシアにおけるサテーの値段
マレーシアにおける現在のサテーの価格は、チキンサテーの場合、1本あたりRM1〜RM1.50前後(30円〜45円程度)です。
もちろん、購入場所によって価格は変わり、クアラルンプールでもRM1以下で購入できるものもありますが、肉が少なめであったり、鶏皮が多かったり…というように安いだけの理由があります。
また、牛肉やマトンのサテーは鶏肉よりも少しだけ価格が高くなります。
マラッカのStay Celupとサテーの関係
マラッカの名物料理として知られるSatay Celup。
これは、サテーの鍋料理と言えるもので、鍋に入ったサテーソースのなかで串を調理しながら食べる料理になります。
具材は肉だけではなく、魚介類や野菜、練り物など具材が多岐に渡る点もSatay Celupの特徴です。
まとめ
マレーシアのストリートフードとして、気軽に楽しむことができるサテー。
香ばしく焼き上げられたお肉と甘いサテーソースの組み合わせが最高の串料理です。
以上、マレーシアのサテーについての紹介でした!