【マレーシアのRoti特集】ロティとは?パンの種類と特徴

マレーシアのRoti(ロティ)特集

ロティチャナイ、ナン、チャパティなど、美味しいインド系のパン料理を堪能することができるマレーシア。

この記事ではマレーシアで食べるRoti(ロティ)の種類と特徴について紹介します。

目次

マレーシアのロティとは?

Flatbread(フラットブレッド)のRoti(ロティ)
Flat BreadのRoti

サンスクリット語でパンを意味するrotikāという言葉が元になっているRoti(ロティ)

ヒンディー語をはじめ、インドなどで使われている言葉になります。

厳密的には、膨張剤などを使わない無発酵の平たいパンを示す言葉がRoti(ロティ)になります。

マレーシアでも「パン」の意味でRotiが使われている

マレーシアでもパンという意味でRotiという言葉が日常的に使われています。

パン全般に使っている総称になります。

Mamak Stallで意味するRoti

マレーシアにおいて、広義的な「パン」という意味で使われる一方、インド系イスラム教徒の人が経営するお店のMamak Stall(ママッストール)では、

Roti=ロティチャナイなどのFlatbread(フラットブレッド)

…を意味します。

例えば、Mamak Stallでもナンを販売しているケースがありますが、ナンはパンの一種ではあるものの、ナンのことをロティとは呼ばず、あくまでナン=ナンになります。

Mamak Stallではロティ系のメニュー、ナン系のメニュー、ドーサ系のメニュー、チャパティ系のメニューに分類しているお店が多いです

ただし本記事では、ナンなどを含めたMamak Stallで提供されている料理に焦点をあてて、それぞれの特徴をまとめて紹介します。

ロティの種類

Roti Canai(ロティチャナイ)

Roti Canai(ロティチャナイ)

薄いレイヤー状の生地が特徴のRoti Canai(ロティチャナイ)

Mamak Stallで食べる大定番のRotiになります。

フィリング(具材)が何も入っていないタイプのロティで、Roti Canai=具材なしになりますが、具材が入ったものとの区別で、

  • Roti Kosong(ロティ コソン)
  • Roti Canai Kosong(ロティチャナイ コソン)
  • Roti Canai Biasa(ロティチャナイビアサ)

…とメニュー表に書いてあるケースもあります。

Kosong(コソン)はマレー語で「何もない」「ゼロ」、Biasa(ビアサ)は「普通」「ノーマル」「ベーシック」を意味します。

ただ、Roti Canai=具なしが基本なので、KosongやBiasaという言葉を使わなくても全く問題ありません。

Roti Telur(卵入り)

卵入りロティのRoti Telur

Roti(ロティ)の生地に卵を入れたRoti Telur

Telurはマレー語で卵を意味します。(Telurの発音はカタカナ表記が難しいので、グーグル翻訳などを使って正しい音を覚える形がおすすめです)

Roti Telurはフィリング入りのRotiのなかで、定番メニューの1つになります。

Roti Jantan(卵2個入り)

Roti Jantan(ロティジャンタン)

Roti Telurが卵1個使用していることに対し、卵を2個使っているものがRoti Jantan(ロティジャンタン)

Jantanにはマレー語で男性という意味があり、より多くの卵を使っていて、”more man”(より男らしい)???…ことからRoti Jantanと呼ばれています。

Roti Tampal(ロティタンパル)

Roti Tampal(ロティタンパル)

卵を使ったRoti(ロティ)にはRoti Tampalというものもあります。

これは鉄板に卵を割って、その上に焼き上げたRoti Canai(ロティチャナイ)を乗せて焼くRoti(ロティ)になります。

Roti Telurは卵を生地の内側に入れて焼くことに対し、生地の外側に卵を加える形になるものがRoti Tampalです。

また、ロティの生地を鳥の巣に見立てて、生地のなかにトロトロの目玉焼きを加えたものは、Roti Sarang Burungと呼ばれています。

マレー語のSarang Burungを英語にするとBird Nestで、鳥の巣という意味があります。

Roti Bawang(玉ねぎ入り)

玉ねぎが入ったRoti Bawang(ロティバワン)

Bawang(玉ねぎ)を使ったRoti Bawang(ロティバワン)

玉ねぎと卵の両方を入れたRoti(ロティ)は、Roti Telur Bawangと呼ばれています。

Roti Sardin(イワシ入り)

イワシ入りのRoti Sardin(ロティサーディン)

イワシ使ったRoti Sardin(ロティサーディン)

マレー語で魚を意味するIkan(イカン)という言葉を使って、Roti Ikan Sardin(ロティイカンサーディン)と呼ばることもあります。

Roti Sardinに入っているイワシ

イワシは缶詰のものが使われています。

食事として食べるRotiとしておすすめです。

Roti Pisang(バナナ入り)

バナナ入りロティのRoti Pisang(ロティピサン)

甘い系統のRoti(ロティ)の定番はRoti Piang(ロティピサン)

Pisang(ピサン)はバナナを意味します。

Roti Pisangに入っているバナナ

Roti(ロティ)に包まれたバナナがトロッと溶けて、たまらなく美味しいRoti(ロティ)です。

Roti Milo(ミロ入り)

Roti Milo(ロティミロ)

デザート系のロティにはバナナ以外にも色々あり、その1つがミロ入りのRoti Milo(ロティミロ/ロティマイロ)

ミロのパウダーが入っているRoti Milo

生地にミロのパウダーを加えて焼き上げるロティです。

Roti Tissue/Roti Tisu(ロティティッシュ)

Roti Tissue(ロティティッシュ)

マレーシアを訪れる観光客に人気のRoti Tissue/Roti Tisu(ロティティッシュ)

ティッシュペーパーのように薄いパリパリとした食感のロティになります。

表面に砂糖が振りかけられているほか、コンデンスミルクがかけられていることもあり、デザート感覚で食べることができます。

薄く大きく広げた生地を焼き、最後に円錐状に巻いて作られていて、割と小さなサイズのものから1m近くある非常に長いロティティッシュを提供しているお店もあります。

ただ、大きいサイズのものは1人だと食べきれないケースが多いので、グループで食事をする時にみんなでシェアして食べる形がおすすめです。

Roti Bom/Roti Boom(ロティボム)

Roti Bom(Roti Boom)

Roti Bom/Roti Boom(ロティボム)は、生地にマーガリンや砂糖を加えるところが特徴です。

Roti Bomのなかには、マーガリンと砂糖のほかカヤを加えたRoti Bom Kayaもあります。

Roti CanaiとRoti Bomの比較

Roti Bomはロティチャナイよりもオイリーな仕上がりになっていますが、味にコクがあり、砂糖の甘みも加わって、甘いものが好きな人はハマってしまう美味しさを持つロティです。

Roti Canai(ロティチャナイ)よりも歯応えがあります。

Roti Planta(マーガリン入り)

マーガリンを使ったRoti Planta(ロティプランタ)

マーガリン入りのRoti Planta(ロティプランタ)

Planta(プランタ)のマーガリン

Planta(プランタ)という言葉はマーガリンのブランド名になります。

Roti Susu(コンデンスミルク入り)

コンデンスミルク入りのRoti Susu(ロティスス)

コンデンスミルク入りのRoti Susu(ロティスス)

濃厚な甘さを持つロティになります。

そのほかのフィリング入りRoti

上記で紹介した卵入り、玉ねぎ入り、イワシ入りの定番ロティと比較して、どこにでも必ずある…というものではありませんが、

  • カヤ入りのRoti Kaya(ロティカヤ)
  • ガーリック入りのRoti Garlic(ロティガーリック)
  • チーズ入りのRoti Cheese(ロティチーズ)

…など、お店によって色々なものがあります。

Roti Banjir(洪水ロティ)

Roti Banjir(洪水ロティ)

ロティチャナイにたっぷりのソースをかけたRoti Banjir(洪水ロティ)

Banjirはマレー語で洪水という意味があり、Roti CanaiをKuah(クア)と呼ぶカレーソースで洪水のようにひたひたにしたものをRoti Banjirと呼んでいます。

クアはダールとカレー(フィッシュカレーやチキンカレー)をミックスしていることが多く、お店によってサンバルソースを加えているところもあります。

たっぷりのソースがかかっているRoti Banjirは、ロティチャナイが持つ本来の生地の食感を味わうことができないので、このあたりは好き嫌いが分かれるかもしれません。

クアラルンプールで有名なRoti Banjirのお店はMansion Tea Stall

安くて美味しいRoti Banjir(または温泉卵入りのRoti Canai Special)を求めて、多くのお客さんが集う場所です。

Roti Tsunami(津波ロティ)

Roti Tsunami(津波ロティ)

Roti Banjirを進化させたRoti Tsunami(津波ロティ)。

基本的にはRoti Banjirと同じ汁だく系のロティで、温泉卵を加えているところが特徴です。

ただお店によってRoti SpecialRoti Canai Special、またはRoti Banjir Specialと名づけていることもあり、これらは津波ロティとほぼ同じものになるケースが多いです。

Roti TsunamiはAli Roti Cana Tsunami(Roti Canai Pak Ali)というお店が有名ですが、Mansion Tea Stallのロティスペシャルとほぼ同じものになります。(個人的にはMansion Tea Stallの方が美味しいと感じています。)

Naan(ナン)

プレーンナン、チーズナン、ガーリックチーズナン

ナンに関しては、全てのママッストールに必ずあるわけではないものの、割と多くのお店で提供しているものになります。(小さいお店にはないものの、ある程度の規模のお店ではタンドール窯があり、ナンを焼いていることが多いです)

プレーンナンから、チーズナンガーリック&チーズナンのほか、バターナン、ギーナンなど色々なメニューがあります。 

タンドリーチキン

ナンを提供しているお店では、大抵タンドリーチキンも一緒に販売しています。

ナンとセットにして食べることをおすすめする料理です。

Plain Naan(プレーンナン)

また、ママッストールではなく、インド料理のレストランに行くと美味しいナンを提供していることが多いです。

特に北インド料理を提供するレストランに美味しいものが多いと感じています。

Dosa(ドーサ)/ Tosai(トーセイ)

Dosa(ドーサ)Tosai(トーセイ)

南インド料理のDosa(ドーサ)

マレーシアではドーサよりもTosai/Thosai(トーセイ)という表記を目にすることが多く、これはタミール語の発音(Dosai)に基づくものになります。

米と黒レンズ豆を発酵させた生地で作るドーサには、ほんのりとした発酵臭があることから、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、慣れてしまうと美味しい料理です。

Tosaiには、プレーンのものから、卵、玉ねぎ、チーズ入りなどのメニューもあります。

美味しいドーサが食べたい時は、Mamak Stallよりも南インド料理のレストランに行く方が美味しいものを食べることができるケースがあります。

Chapati(チャパティ)

Chapati(チャパティ)

全粒粉で作るChapati(チャパティ)

健康的なパンです。

Murtabak(ムルタバ)

Murtabak(ムルタバ)

お好み焼き的な食べ物と形容されることが多いMurtabak(ムルタバ)

ムルタバはママッストールで定番のグルメです。

牛肉、鶏肉、マトンが使われていることが多く、好きな肉を選んで注文することができます。

Roti John(ロティジョン)

Roti John(ロティジョン)

バゲット状のパンに挽肉や玉ねぎなどを入れたオムレツを挟んだサンドイッチのRoti John(ロティジョン)

ロティジョンはRamly Burger(ラムリーバーガー)のように路上の小さな屋台で販売されているケースが多いものの、一部のママッストールで取り扱っていることがあります。

上記画像のロティジョンはソースがかかっていないシンプルなものですが、通常はチリソースやマヨネーズなどたっぷりのソースがかけられています。

ロティジョンの由来

Roti John(ロティジョン)は、1970年代にシンガポールで誕生したと言われる料理です。

あるイギリス人男性がシンガポールの屋台で「ハンバーガーを作って欲しい」と注文し、マレー人の店主がお店にある材料でハンバーガーらしきものを作りあげ、

“Silakan Makan Roti, John.”

(ジョン、どうぞパン<ハンバーガー>を召し上がってください。)

…と声をかけた逸話がRoti John(ロティジョン)の由来であると信じられています。

イギリス人男性の名前がJohnであったのかは不明で、相手の名前がわからなかったり、明確ではない時に、西洋の男性に対して使われる「John」という呼称を使ったのでは?と言われています。

Roti Arab(ロティアラブ)

卵入りのRoti Arab(ロティアラブ)

ロティアラブと呼ばれる丸いパンを使ったRoti Arab

ふかふかとした食感が特徴です。

卵を使ったRoti Arab Telurのほか、 チーズを使ったものもあります。

Roti ArabもRoti Johnのようにどのお店にもあるものではないので、それほど目にする機会は多くないかもしれません。

Roti Baker(ロティバカー)

Roti Bakar(ロティバカー)もママッストールで提供されていることが多いパンです。

Rotiはパン、Bakerは焼くを意味し、Roti Bakarはトーストになります。

通常はRoti Baker Kaya(ロティバカーカヤ)、Roti Baker Kaya Butter(ロティバカーカヤバター)などのカヤトーストを意味することが多いのですが、卵トーストのRoti Bakar TelurやトーストだけのRoti Bakar Kosongなどのメニューがあるケースもあります。

カヤトーストに関しては、ママッストールではなく、Kopitiam(コピティアム)で食べる方がおすすめです。

そのほかのロティ

以下で紹介するものは、南インド料理のレストランで販売していることが多いメニューであるものの、一部のママッストールで取り扱っているケースもごくたまにある…というものについて紹介します。

(ただし、必ずあるものではないので、以下で紹介する料理が食べたい時は南インド料理レストランに行くことをおすすめします。)

Idly(イドリー)

Idly

米と豆をベースに、発酵させた生地を蒸して作るIdly(Idli)

ふわっと発酵臭が漂う、優しい味のヘルシーな料理になります。

Appam(アッパム)

Appam

米粉とココナッツミルクで作るAppam(アッパム)は、南インド発祥のパンケーキ(クレープ)のようなものになります。

ココナッツミルクにディッピングしながら食べるプレーンのアッパムのほか、卵入りやミロ入りなど様々なバリエーションがあります。

どこで食べる?マレーシアのRoti(ロティ)

マレーシアでインド系のパンが食べたい時に足を運ぶべきお店は、

  1. Mamak Stall(ママッストール)
  2. インド料理店

…この2つです。

ただ、何が食べたいか?がお店選びのポイントで、ロティチャナイ系のものであれば、選ぶべきお店はママッストールになります。

また、インド料理のレストランでも、ローカル化した南インド料理のレストランでは、ロティチャナイやロティバカールなどのメニューを提供しているケースもありますが、ロティチャナイが食べたい場合はMamak Stallを選ぶ方が無難です。

まとめ:種類が豊富なマレーシアのロティ

マレーシアではじめてRoti系のものを食べるのであれば、ロティチャナイから試してみる形がおすすめです。

ロティチャナイ以外のメニューでは、ロティピサンロティサーディンがおすすめです。

以上、マレーシアのRoti(ロティ)についての紹介でした!

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この記事を書いた人

海外在住歴10年以上。留学、海外インターンシップ、海外勤務で欧米やアジアなど数カ国に在住。
台湾在住を経て、現在はマレーシアでの生活をメインにしています。

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