客家料理の釀豆腐(ヨントーフ)。
中国を起源とする食べ物ですが、マレーシアで定番のローカルグルメの1つです。
客家料理の釀豆腐(ヨントーフ)とは?
客家を代表する料理として知られる釀豆腐。
繁体字では釀豆腐、簡体字では酿豆腐と表記します。
英語では色々なスペルがありますが、Yong Tau FooやYong Tau Fuと表記されることが多いです。
標準中国語での発音はNiàng dòufu(ニャンドウフー)になりますが、マレーシアではヨンダオフーと呼ばれています。
伝統的な醸豆腐はどんなもの?
伝統的な釀豆腐は、豆腐の一部に切れ目を入れたり、スプーンでくり抜いたりしたところに、スパイスで味つけした豚肉や羊肉の餡を挟んで作られる料理で、焼く、揚げる、煮るなどの調理方法があります。
ヨントーフは客家の人が餃子をイメージして作ったという説
釀豆腐は客家の人が餃子をイメージして作ったものだという説があります。
なぜ客家の人が釀豆腐を作ったのか?
…その鍵は客家のルーツと歴史にあります。
今でこそ客家の人々は中国南部に多く住んでいるイメージがありますが、元々のルーツは中国の中原(現在の河南省一帯など)だと言われています。
中原は古代中国の周の王朝があった場所で、客家の人々は戦争や政変などの影響を受け、様々な場所に移り住み、やがて南部に居住するようになります。
小麦粉で作る餃子の皮の代替に豆腐を使った
移り住んだ南部において、北部とは異なり小麦粉が手に入りにくい…という問題に直面した客家の人々。
小麦粉で作った餃子の皮の代わりに豆腐で餡を包むというアイディアが釀豆腐誕生につながったと言われています。
マレーシアの釀豆腐(ヨンダオフー)
中国南部に移り住んだ客家の人々のなかには、新天地を求めて台湾や東南アジアに移動した人もいます。
そのため、マレーシアにも様々な客家料理があり、釀豆腐はその1つになります。
マレーシアにおいて釀豆腐は、専門店のほか、ホーカーセンターやコピティアム、フードコート内など、色々なところで食べることができます。
ショッピングモールのフードコートにある醸豆腐のお店。
好きな具材を選び、お店の人に調理してもらう形になっています。
こちらはコピティアムのなかで営業しているお店。
作っている様子を間近で見ることができます。
客家料理のレストランに行くと、豆腐を使った伝統的な釀豆腐をメニューとして提供していることもありますが、一般的にマレーシアで釀豆腐と言うと、豆腐料理だけではなく、唐辛子、オクラ、ナス、苦瓜などに肉や魚などの餡を入れて調理したものなど、餡入りの料理を総称して釀豆腐と呼んでいます。
餡には豚挽肉、豚挽肉と魚を混ぜたものなどがあります。
油で揚げてそのまま提供されるもの、煮込んでスープと一緒に提供されるもの、油で揚げたものをスープに入れて提供するものなど様々です。
マレーシアで釀豆腐を注文すると、大抵は2種類のディッピングソースがセットになっていることが多く、これもマレーシアの釀豆腐の特徴だと言えます。
釀豆腐は単体で食べることもありますが、ご飯を提供しているお店も多く、ご飯と一緒に食べると箸が進みます。
また、クアラルンプールでは釀豆腐と一緒に豬腸粉を販売しているお店も割と多くあり、これが特徴とも言えます。
クアラルンプール&近郊にあるおすすめのお店
釀豆腐のお店は色々なところにありますが、クアラルンプールとその近郊都市において特に有名なお店は以下の2店。
- 鴻鴻釀豆腐(Foong Foong Yong Tau Fu)
- 泗岩沫釀豆腐(Segambut Yong Tau Foo)
また、Restoran Fatty Mok Hakka Yong Tau Fooも有名です。
この記事では鴻鴻釀豆腐(Foong Foong Yong Tau Fu)と、個人的におすすめのお店である祥記客家正庄釀豆腐(Seong Kee Hack Ka Young Tau Foo)について紹介します。
鴻鴻釀豆腐(Foong Foong Yong Tau Fu)
ローカルの人に人気のお店で、いつも混み合っている鴻鴻釀豆腐(Foong Foong Yong Tau Fu)。
豆腐や揚げ豆腐をはじめ、唐辛子、苦瓜、ナス、オクラ、腐竹など定番の具材が揃っています。
腐竹は日本でいう湯葉になります。
鴻鴻釀豆腐の価格表。
具材はどれも同じ価格で、1つあたり一律RM1.70。
上記画像の価格表の赤色の数字は具材の個数で、黒色の数字は価格になります。
26個の具材を注文したら合計RM44.20になるなど、一目で合計額がわかるようになっています。
ジューシーで美味しい鴻鴻釀豆腐(Fong Fong Yong Tau Fu)のヨントーフ。
揚げ餃子。
水餃子も美味しいです。
Foong Foong Yong Tau Fuのロケーション
住所:621-A, 621, Jalan Merdeka, Kampung Baru Ampang, 68000 Ampang Jaya, Selangor
鴻鴻釀豆腐はSelangor(スランゴール)のAmpang Jaya(アンパン・ジャヤ)にあります。
KLCCエリアから車で15分程度の距離になります。
祥記客家正庄釀豆腐(Seong Kee Hack Ka Young Tau Foo)
人の多さと知名度では鴻鴻釀豆腐(Foong Foong Yong Tau Fu)の方が断然上ですが、個人的に鴻鴻釀豆腐より美味しいと感じている醸豆腐のお店がPJ Old Townにある祥記客家正庄釀豆腐(Seong Kee Hack Ka Young Tau Foo)。
注文を受けてから調理するため、混んでいる時は30分以上待ち時間があったりと提供されるまでに時間がかかりますが、作り置きなしの作りたてを食べることができるお店です。
祥記客家正庄釀豆腐はスープも美味しいです。
釀豆腐(のお店で提供されるスープは塩分が強めのものも多いものの、祥記客家正庄釀豆腐のスープはそこまで塩っぱくなく、旨みがあります。
また、祥記客家正庄釀豆腐のタレも美味しいです。
祥記客家正庄釀豆腐のロケーション
住所:Taman Selera, Pjs 4, 46050 Petaling Jaya, Selangor
Petaling JayaにあるPJ Old Town Hawker Centreというホーカーセンターのなかにお店があります。
週末は夕方の早い時間帯から混み合うことが多いです。
まとめ
鴻鴻釀豆腐も祥記客家正庄釀豆腐も便利なロケーションにあるわけではなく、ローカル感も強いことから、人によっては使いにくさを感じることがあるかもしれません。(ローカルの人と一緒に行く形がおすすめです)
ただ、どちらも美味しい釀豆腐(Yong Tau Fu)を提供しています。